ペンシルバニア鉄道(PRR)の蒸気機関車
と言えば、みなんさんはどんな機種を思い浮か
べますか? 実は自分はPRRの蒸気機関車に
ついては殆ど知りませんでした。
アメリカの鉄道会社の中では珍しい電化区間を
もつPRRについては電気機関車のGG1くらい
しか有名な機関車を知りませんでした。 しかし、
ふと、GG1以前には一体どのような蒸気機関車
がPRRには存在したのだろうということで、若干
調べてみたのが始まりでした。
結論から言ってしまえば、PRRの最功労者は
やはり「K-4s」型の4-6-2パシフィックタイプ
の蒸気機関車ということになるのだと思います。
どうもこのような事実はアメリカの鉄道ファンには
常識のようで誠にお恥ずかしい話であります。
時は1906年、鉄道を利用する人々の数が急激
に増加し、鉄道会社では長編成の客車を牽引する
必要に迫られ、しばらくは重連での運用を頻発させ
たものの、根本的な解決策として牽引機のパワー
アップを余儀なくされたのでした。
そんな中で開発されたのが4-6-2パシフィックでした。
中でもペンシルバニア鉄道はこのパシフィック型を
非常に好み、ニューヨークセントラルに続く二番目に
多くの680両余りを保有していたようです。
1907年にAlcoから購入した#7067の「K-28」型
を皮切りに、K-2,K-3・・・と結局K-5までを
1928年まで製造し続けました。 その途中の時代に
他の鉄道会社がよりモダンなタイプに機関車を切り替
える中、ペンシルバニア鉄道が製造し続けたのが、
「K-4s」型だったのです。
「K-4s」型は非常に優秀な旅客用蒸気機関車で
あったので、PRRは自社のJuniata Shopsで総計
349両の「K-4s」を1917年から1928年まで
製造し、超繁忙期となる1940年代まで殆どの
旅客用列車に使用されるスタンダード牽引機と
してGG1とともに活躍したのでした。
さて、こんなに有名な蒸気機関車について
知ってしまうと、やはりNゲージでもないものかと
探してしまうのが人情というもの(笑)
そして見つけたのです、精巧なブラス製のNゲージ
「K-4s」を。
製造したのはサムホンサと同じ韓国のD&D
Brass(1987-1995)という会社のようです。
そしてそのロードナンバーは#5484。
このナンバーの素性を調べてみますと、1927年
にPRRで製造された「K-4s」17両のうちの1両
ということがわかりました。
巨大な80インチ径(約203センチ)のドライバーが
見事に再現されている精巧な新品です。
K-4s用のテンダーには全部で8種類のタイプが
運行に使われたようですが、このモデルには中くらいの
容量の「130-P-75」(水量:13,475ガロン、石炭量:
22トン)というテンダーがついています。
ペンシルバニア鉄道のフラッグシップ列車である
「Broadway limited」ももちろんK-4sが牽引しました。
カトー製のこの特急の客車たちの形式は年代的に
GG1に牽引させているようですが、時代考証としては
多少おかしくとも、やはり「ブロードウェイ」は往年の
超MVP選手「K-4s」にがんばってもらってその雄姿を
楽しみたいと思う今日この頃なのです。
それではみなさま、次回までさようなら(^0^)/