Nゲージの縮尺のおはなし。

タイトルにありますように今回はNゲージの縮尺の

話をさせていただきたいと思います。

アメリカ製のNゲージ車両を日本製のレールで使用

しても楽しむうえでは何の問題も起こらないことは

みなさん既にご承知のことだと思います。

ケンズタウンのトップページ冒頭にも書かせていただいて

ますが、日本製のNゲージの縮尺が150分の1なのに対し、

アメリカ型は160分の1と、同じNゲージといいましても

縮尺率が日米で異なります。

ところが、縮尺が異なるのに線路幅は同じ9mmであることに

疑問を持たれる方もいらっしゃることでしょう。

日本の在来線で実際に使われている軌間(線路幅)は

ご存じ通常「狭軌」と呼ばれる1067mmです。

これに対し、1886年に主要路線で統一が図られたアメリカで

使用されている軌間は「標準軌」と呼ばれる1435mmです。

以前は日本の軌間を基準に考えられていたため、1435mmの

軌間を「広軌」と呼んでいたのですが、単位系の世界標準化が

進む中で、日本でも1435mmを標準軌と呼ぶように変わって

きました。 標準軌を超える軌間を「広軌」と呼ぶのが近頃の

標準のようです。

さて、縮尺の話に戻りますが、日本でのNゲージ縮尺150分の1

ですと、在来線の軌間1067mmはNゲージサイズでは計算上

7.1mmということになるはずです。 逆に、軌間を9mmにする

ためには、縮尺は約118分の1でなければなりません。

つまり、日本のNゲージ車両(新幹線を除く)は、車体が150分の1

で輪距(左右の車輪間の距離、トレッド)のみ118分の1という

少し複雑なバランスとなっています。

これに対し、アメリカでのNゲージは、標準軌1435mmの160分の1

が殆ど9mmになるので、車体も輪距も車両全体が全て160分の1

サイズとなっているわけです。

冒頭でもお話しましたが日米Nゲージの縮尺の違いで、その

楽しみに違いが出るわけではないと思います。 けれども、日米車両の

実物の大きさ比較の話をする場合には注意が必要になってきます。

例えば、Nゲージの人気蒸気機関車「C62」の全長が約143mm

だとします。これと全長が全く同じアメリカ製Nゲージ蒸気機関車

でも、実物の全長は約1.4メートル「C62」の方が短い計算と

なります。 この1.4メートルを大差とみるか、小差とみるかは

人それぞれでしょう。 同様に、Nゲージサイズ高さ11mmの

フィギュアは、日本のレイアウトの中では身長165センチですが、

アメリカのレイアウトに立たせた途端に身長が176センチの人間に

早変わりです!

縮尺の違いが頭の片隅にあると、楽しみ方も広がるかもしれませんね。

今回はNゲージの縮尺の違いを少し掘り下げてみました。

それではみなさん、次回までさようなら(^0^)/