アメリカ鉄道の特急たち。

「アメリカの鉄道」というとみなさんはどんな

イメージを頭に思い浮かべるでしょうか?

茶色い岩肌や地平線の見える原野を大蛇の

ごとく進む数キロに及ぶ長い貨物列車でしょうか。

或いは、ビッグボーイやチャレンジャーのような

巨大蒸気機関車や、4重連、5重連のディーゼル

機関車などでしょうか。

人々の移動手段の主流が車や飛行機となった

現代のアメリカでは、鉄道は確かに物資の輸送が

その一番の目的かもしれません。 そうすると

列車も自ずと貨物列車がメインとなるわけですね。

しかし、かつて人々が列車を使って大陸を横断

していた鉄道の黄金時代が確かにあったのです。

その当時、全米には大小100を超える私鉄各社が

ありました。 日本で言えば国鉄時代の日本全国の

名前の付いた支線が全て独立した私鉄だったような

ものでしょうか。

人々が遠方に旅行したり、仕事で出張するのも

全て鉄道を使う時代だったことでしょう。 それ故、

みなさんのイメージには殆ど出てこないかもしれま

せんが、中長距離の長い長い編成の特急列車もまた

アメリカ鉄道の大きな魅力の一つなのです。

先月、このブログで紹介しましたニューヨークセントラル

鉄道の「20th CENTURY LIMITED」はその中でも

超メジャーな特急列車の一つです。 当然、大きな

鉄道会社は各路線で何種類もの特急列車を運行

させていたわけですから、鉄道会社の数も考慮に

入れると、やはり100を超える列車名があったはず

なのです。 自分のようにアメリカの鉄道を知っている

「振り」をするには、40年代前後の有名特急ベスト6を

暗記しておくといいと思います(笑)

恐らく投票が行われたことはないでしょうから、順位は

わかりませんが、

■ 20th CENTURY LIMITED (ニューヨークセントラル鉄道)

■ BROADWAY LIMITED (ペンシルバニア鉄道)

■ DAYLIGHT (サザンパシフィック鉄道)

■ SUPER CHIEF (サンタフェ鉄道)

■ OVERLAND LIMITED (ユニオンパシフィック鉄道※1)

■ HIAWATHA(ハイアワサ) (ミルウォーキー鉄道※2)

※1 シカゴ・ノースウェスタン鉄道とサザンパシフィック鉄道

との共同運行。

※2 正式名称は、シカゴ・ミルウォーキー・セントポール&

パシフィック鉄道。 通称ミルウォーキー・ロード。

この他にも、CB&Q鉄道の「カリフォルニア・ゼファー」を

推す方もおられることでしょう。

アメリカ鉄道の特徴は、電化区間が極端に少ないため

これらの列車は「電車」ではなく、必ず蒸気機関車や

ディーゼル機関車で牽引されていました。 どの特急

にもその客車たちを牽引した「ホーラー(ハウラー)」

(牽引機)が存在したわけです。 それぞれの特急を

語る上で切っても切り離せない存在のホーラーたち

を知ることも、その模型を走らせて楽しむうえでの

醍醐味の一つではないでしょうか。

この中から、次回は、サザンパシフィック鉄道の

「DAYLIGHT」について、そのNゲージ模型の話も

含めてお話させていただこうと思います。

それではみなさま、次回までさようなら(^0^)/