今回は、タイトルのようにアメリカの蒸気機関車の
車輪構成(ウィール・アレンジメント)とその通称の
お話です。
ヨーロッパでは、機関車の車軸の数が呼び名の基本
となっているようですが、20世紀の頭にアメリカで
取り入れられたネーミング方式は、車輪の数でした。
日本の機関車と同じく、蒸気機関車には
先輪(リーディングトラック)と従輪(トレイリングトラック)
そしてそれらの間に動輪(ドライバー)があるわけですが、
アメリカの蒸気機関車には、それら全ての数の構成により
メーカーが付けた呼称があります。
先輪と従輪には車重分散の意味や、特に先輪には
カーブでの車体の操舵という重要な役割もあります。
先輪の数ですが、一般には2輪は貨物用で4輪は
客車用となっているようです。
また、動輪の直径も速度重視の客車用には
大きなものを、貨物やヤード牽引用には
パワー重視の小さなものが使われるようです。
車輪構成の通称の話に戻りますが、
以下に一般的な通称をまとめてみました。
0-6-0 6輪スウィッチャー Six-wheel switcher
0-8-0 8輪スウィッチャー Eight-wheel switcher
2-6-0 モーガル(モーグル) Mogul
2-6-2 プレイリー Prairie
2-8-0 コンソリデイション Consolidation
2-8-2 ミカド Mikado
2-8-4 バークシャー Berkshire
2-10-0 デカポッド Decapod
2-10-2 サンタフェ Santa Fe
2-10-4 テキサス Texas
4-4-0 アメリカン American
4-4-2 アトランティック Atlantic
4-6-0 テンウィーラー Ten wheeler
4-6-2 パシフィック Pacific
4-6-4 ハドソン Hudson
4-8-0 トゥウェルヴウィーラー Twelve wheeler
4-8-2 マウンテン Mountain
4-8-4 ノーザン Northern
(J.PARKER LAMBさんのPerfecting the AMERICAN STEAM LOCOMOTIVE より)
基本的には車輪構成によりこのように
呼ばれますが、鉄道会社によっては別の
ネーミングをするケースもよくあります。
例えば、自分の好きなニューヨークセントラルでは
マウンテン型を「モホーク」、ノーザン型を「ナイアガラ」
と呼んでいました。 ミカド型も戦時中になって
敵国となった日本を意識して呼称を変更する
鉄道会社も多くあったように聞いています。
通称がわかると、なんだか自分の持っている
蒸気機関車により親しみが出てきませんか?
コレクター癖のある自分はとかく、
「よーし、全種そろえてやろー!」などと
密かに思ったりします(^_^)
以上は、固定式車輪(台車)の機関車のお話ですが、
もちろんビッグボーイを筆頭にした連接型の大型機関車にも
呼称がありますが、それはまたの機会に。
それではみなさん、次回までさようなら(^0^)/