古くて新しいエコ動力のしくみ。

本日もケンズレールロードに

お越しいただきまして

ありがとうございます。

 

それは先週末のこと。

週末になると極端に

増える折込み広告

の中に、

ある国産自動車メーカーの

ニューモデル紹介のビラが。

テレビコマーシャルでも

流れていますが、

「電気自動車の新しい形」

として

あるネーミングがなされている

新システム。

「エンジンで発電し、

モーターで駆動!」

と。

 

「おじちゃん、それは

どこが

新しい形なん?」

 

そうさなー、

今あるハイブリッド車とも

電気自動車とも違う

それらのハーフのような

ものだから

新しい形なのかもねー(^-^)

 

車体に搭載されている

のはエンジンとモーターなので

ハイブリッド車と同じ。

けれど、

モーターだけで

駆動する機構は

電気自動車と同じ。

つまり、

このシステムは

「発電所(エンジン発電)を

積んだ電気自動車」

といったところかな (^o^)

 

「そやけど、

そんな車の話が

鉄道となんの関係が

あんの???」

 

はいはい、

待っていました

その質問! \(^0^)/

「ブルドッグノーズ」で

1930年代後半から

1950年代半ばまで

隆盛を極めた

キャブ型ディーゼルの

殆どは

実はこれと全く同じ

システムを

使っていたんだよ。

 

エレクトロモーディブ社

が世に送り出し

大ヒットした

EユニットとFユニット。

それを受けて

他のメーカーも

一斉に同様の機体を

製造し始めました。

これらは通常

ディーゼル機関車として

扱われますが、

実は、

「ディーゼル・エレクトリック

(Diesel-Electric)」

と呼ばれるがごとく、

電気機関車とも

考えられる

機関車たちなのです。

 

つまり、

ディーゼルエンジンは

搭載されていますが、

実際に車輪を

機械的に駆動するのは

モーターだったのです。

 

「そのおかげで

ダイナミックブレーキ技術

(減速時に駆動用モーターを

発電機として機能させる

逆起電力を利用した

制動システム)

も開発されたんやもんね。」

 

そうそう、よく知っているね。

 

それらの車両では

ディーゼルエンジンは

前述の新型車と同様に

(車はガソリンエンジンですが)

ジェネレーター(発電機)を

回して発電するためだけに

使用されました。

発電所と表現したのは

そのためです。

 

けれども、

当時は結果的に

総合的な合理性で

純粋なディーゼル機関車

(ディーゼルエンジンが

伝達機構を介して

直接車輪を駆動する)に敗北し

その殆どが置き換えられて

ゆくことになりました。

 

「ほな、

なんで初めっから

ディーゼル機関車に

せーへんかったん?」

 

多分、実際は

いろいろな技術レベルや

時代環境の問題で

そうなったんだろうね。

でも、

おじちゃんは、

こう思うよ。

「蒸気機関車の次に

来るべきは

まず

電気機関車であろう」

と、

皆考えていたんじゃ

ないかなー

って。

 

なぜなら、

当時、一部の都心では

架線が張り巡らされ

既に電気機関車が

運行していたからね。

アルコ(Alco)とGEが

共同で開発し

ニューヨークセントラルなどが

活用していた

Tシリーズ電気機関車は

1910年代から

製造されていたよ。

 

けれども、

地方の全てへ架線を延伸し

電化を進めることは

その広大すぎる

国土と山脈のため、

恐らく関係者の誰もが

「お金と時間の

かかりすぎで

非現実的では?」

と疑問を抱いていた

はずです。

 

そこで、

設置コストが膨大な

架線から電力を

受け取る方法ではなく

架線不要の

「動く発電所を

電気機関車に搭載する・・・」

というアイディアが

先行したのかも・・・、

と推測しました。

 

 

「ほな、

なんでそんな古いもんが

今さら新型ゆうて

出てくんの?」

 

まずは

新材料の発見で

格段に進化した

モーター性能

(発電量&トルク)、

そして、

地道な研究で

こつこつと

積み上げられた

エンジン側の

燃費向上技術、

この2つを

現代の制御技術で

組み合わせた結果、

時代のトレンドが

望む性能を

見事に実現できた、

ということじゃないかな。

 

もちろん

この古くて新しい技術で

現代の

エンジン発電+

モーター駆動の

鉄道車両が

既に製造され

存在していることを

以前どこかで

書いたと思います。

 

「なんか

100年も前に

つこてたしくみが

今また使えるゆーんは

感動やねー 」

 

そうだねー、

道具になるものさえ

進化を遂げれば

「しくみの本質」

というものは

永遠に我々を助けてくれる

力を持っている

のかもしれないねー。

 

今日は

そんな蘇った技術

に関するお話でした。

 

それでは皆様

また次回までさようなら(^0^)/