ブラス製モデルへの認識改革。

先日、待ちに待ったオーバーランドモデルズ

(製造:Ajin社)のビッグブロー(Big Blow)が

入荷しました。 この製品、ボディの殆どがブラス

(真鍮)製です。

みなさんは、ブラス製のNゲージモデルに対して

どのようなイメージをもたれているでしょうか。

実は、自分がブラスNゲージと親しんだのは

国産エンドウ製品が最初です。 HOで培った

技術をNゲージにも投入したエンドウさん、

EF58、0系新幹線、京阪テレビカー、

近鉄ビスターカー、・・・などなど。

どれも非常に魅力的な製品たちではあった

のですが、子供心にもそのディテールに

関してはかなり不満をもっていました。

当然その当時の比較対象は関水金属

(現KATO)製の車両たち。

当時の国内のNゲージはちょうど黎明期から

抜け出し始めた頃。 つまり、「プラ製のおもちゃ」

という厳しいHOファンからの評価を受けながらも

ようやくその居場所を確立しはじめた頃でありました。

結局後年Nゲージから撤退することとなった

エンドウさんですが、HOファンにも愛される

ブラスNゲージを浸透させたかったのでしょう。

しかし、細かいディテールを安価に大量成型

できるプラスティック製品にかないませんでした。

もちろん、その技術をもってすれば外観上

同等の作り込みもできたはずのエンドウ製Nゲージ。

しかし、価格がプラ製品より一桁上がってしまうことは

想像にかたくありません。

事情はともかく、少年時代の自分に刷り込まれた

ブラスNゲージの印象は、「高価な割にチープな

ディテール」という辛辣なものでした。

そんな土台のままケンズタウンを始めてしまった

ものですから、最初はブラスN製品を取り扱う

つもりはありませんでした。 ところが・・・。

そんなブラスNゲージへの認識を改めさせられた

のが韓国は三弘社(サムホンサ:Samhongsa)製の

蒸気機関車でした。 確かにプラ製品に比べると

かなり高価なのですが、パイピング類が多く窓の少ない

蒸気モデルには、ブラス製はうってつけかもしれません。

そして、なんといっても自分が感じるのは「味」です。

このなんともいえない手作りの風合いが蒸気機関車

にベストマッチするのです。

さて、長くなりましたが話を「ビッグブロー」に戻します。

この製品は同じ韓国でも「Ajin」という会社が製造し、

オーバーランドモデルズが販売したものです。

結論からいいますと、このビッグブローは、サムホンサ製

をそのディテールにおいて凌いでると感じます。

実機に存在するほぼすべてのステップ類、手摺、

ホース類等がブラスで精密に再現されています。

Overland Models Inc(OMI) Big Blow UP #26

Overland Models Inc(OMI) Big Blow UP #26

 

 

 

 

 

 

 

 

ボデイ側面の換気口などのスリットもエッチングパーツで

見事に再現されています。 写真だけでは一見、HOモデル

かと判断してしまうのではないでしょうか。

OMI Big Blow UP #26 精緻な作り込みのブラス製。

OMI Big Blow UP #26 精緻な作り込みのブラス製。

 

 

 

 

 

 

 

 

この製品をもってブラスNゲージの真髄を見たような

気持ちです。 よく使われる表現ではありますが、

これは金属細工の芸術品の域に到達している

ようにも感じられます。

確かに昨今の性能から言えば、DCCやサウンドも

重要アイテムではありますが、やはり模型は

そのディテール再現性が重要な基本的魅力の

一つだなぁと改めて感じることのできた製品なのでした。

 

それではみなさま、また次回までさようなら(^0^)/