さて、前回は本来のサンタフェ鉄道の列車バレーフライヤー
(Valley Flyer)は、スムースサイド客車ではなくヘビーウェイト客車
であったことがわかったお話をさせていただきました。
では、ヘビーウェイトのバレーフライヤーはかつてNゲージで
製品化されなかったのでしょうか? いえいえ、調べてみると
これがちゃ~んとコンコー(CON-COR)からかつて発売されて
いたことがわかりました。
発売された年は定かではありませんが、せっかくの機会なので
と思い新品商品を注文してみました。 まだ入手はできていませんが、
6両のヘビーウェイト客車(3軸台車)とバレーフライヤー塗装の
蒸気機関車のセット商品になっています。
しかし、ここでさらにもう一つの疑問が浮かび上がりました。
前回お話しましたように、ヘビーウェイトのバレーフライヤーの牽引機
として有名なのは、#1369の4-6-2パシフィック型です。
バレーフライヤーの資料にある編成例にもパシフィック型が記載
されておりました。
が、このコンコーのバレーフライヤーセットに入っているのは
確かにバレーフライヤー塗装(Valley Flyer Scheme)ではあるの
ですが、パシフィック型ではなく4-6-4ハドソン型なのです。
しかも流線型(Streamliner)!
あらあら、またまた調査の開始です。
サンタフェ鉄道に導入されたハドソン型は全部で16両。
1927年の第一期に10両、1937年の第二期に6両、いずれも
Baldwin社製であります。 このうち唯一流線型として入手されたのが
かの有名な#3460の「ブルーグース(Blue Goose)」なのです。
時折、シカゴとロスを結ぶ特急「スカウト(Scout)」の牽引機として
大活躍した特大84インチ(2133mm)ドライバーの名機です。
あれあれ、それではバレーフライヤーセットに入っている流線型
ハドソンは何者なんでしょうか???
実は、コンコーさんはこのバレーフライヤーセット以外にも、
当時、ブルーグースセットも販売されており、その中で使用した
4-6-4ブルーグースをバレーフライヤー塗装してこの商品に
セットしたのではないかと推測しています。
よって、結論としましては、時代考証に忠実にバレーフライヤーを
再現するのであれば、コンコー製のバレーフライヤーセットの
ヘビーウェイト客車6両を使用し、そしてその牽引機にはモデルパワー製
4-6-2パシフィック#1369セミストリームライナーをおすすめいたします。
ただ、鉄道模型はワクワク楽しいのが一番だと常日頃感じている私は、
時代考証に忠実になるのも一つの楽しみ方ですが、その他にも各種の
楽しみ方があってもいいと思っています。 例えば、スムースサイドの
バレーフライヤー塗装の客車を4-8-4ノーザンに牽引させてみるなどは
自分にとりましてはぞくぞくする編成の一つです(^_^)b
それではみなさま、次回までさようなら~(^0^)/