最後に語り合えた「最後の4-8-4」。

今日もまたここを訪れていただきまして

ありがとうございます。

 

あと少しで4月です。

決して早かったとは言えない1年が経ち、

ようやくその写真を撮ることができる

ようになりました。

Niagara S-1-b #6020 built by Alco in 1946.

Niagara S-1-b #6020 built by Alco in 1946.

 

第二次世界大戦が終わる少し以前、

ニューヨークセントラルは、メインライン

であるウォーターレベルルートに

新しい牽引機の必要性を感じていました。

既に活躍中の旅客用ハドソン、貨物用

モホークでしたが、終戦に向けて

急速に拡大する両者の輸送量に

対応するためでした。

Driver Diameter: 79 inches (2006.6mm)

Driver Diameter: 79 inches (2006.6mm)

 

けれどもその頃には既に政府のWPB

(ウォー・プロダクション・ボード)が決定した

2つの制限がありました。

1.新規旅客用牽引機導入の禁止。

2.全く新設計の牽引機デザインの禁止。

そこでこれらをクリアーしながら

要望を満たせる設計デザインを

アルコ社(Alco)と検討を重ね、

既存の蒸気機関車の基幹装備などを

ベースに完成したのが、

旅客、貨物デュアルサービス可能な

本機でした。

Tender Water Capacity: 18,000 gals.

Tender Water Capacity: 18,000 gals.

 

ハイパワー化のためにボイラー容量の

拡大が必須でしたが、メインライン各所の

クリアランス制限のため、ボイラー上の

突起となる装備(サンドボックス、ホイッスル、・・・)

は可能な限り薄くし、

またFEF風テンダー台車では、

耐重量用に車輪数を稼ぎながら

既存のターンテーブル寸法を

クリアーするため

ホイールベースの調整がなされて

います。

Tender Fuel Capacity: 46 tons.

Tender Fuel Capacity: 46 tons.

ニューヨークセントラルの4-8-4タイプは

1945年導入のS-1-aから1945-46年のS-1-b、

1947年のS-1-c、同年のS-2-aが

あります。

(実は導入初年のずっと以前に

1930年代初期、「HS-1-a #800」

という3シリンダーのアルコ製先代機が

ありました)

Tender Weight (light): 337,000lbs.

Tender Weight (light): 337,000lbs.

自分には少し儚げに見える彼女は

4-8-4タイプの蒸気機関車の中で

自分の一番のお気に入りです。

 

「なんでいつも儚げとか

陰のあるとか、そんな

言葉を付けんの、おじちゃん?」

 

この4-8-4タイプってい言うのはね

実は蒸気機関車の最終進化形

とも呼ばれていてね、

大径のドライバーを生かして、

各鉄道会社の高速看板特急の

花形機関車になって行ったんだよ。

サザンパシフィックのGSシリーズ

だったり、ユニオンパシフィックの

FEFだったり。

Cylinders(Dia. x Stroke): 25.5" x 32" .

Cylinders(Dia. x Stroke): 25.5″ x 32″ .

だけどね、それらは殆どが

1930年代、サンタフェとか

早いものだと既に1920年代に

導入されて、主に旅客用の

主役になってた素材だったんだよ。

でも、ことニューヨークセントラルに

限っては、客車用ならハドソンなどが、

貨物用ならモホークなんかで

十分事足りていて(多分)、

4-8-4タイプをその時期に

導入しなければならない理由が

特に見当たらなかったんだと

思う。

Fuel: Coal.

Fuel: Coal.

その理由は恐らくメインラインの

地理的性質で、 いわゆる山岳地帯が

殆どなかったからではないかと

自分は思うよ。

大トルクの必要な区間が少ないから

タイトなスケジューリングにも

車両数さえ増やせば、

なんとか対応できたんだと思う。

なので、他の鉄道会社から

10年以上も遅れて登場した

ニューヨークセントラルの4-8-4。

さらに言えば、

もうその時期には

ディーゼルへの置き換えが

進んでいて、旅客特急用には

E7やE8への代替わりが

すぐに始まってしまう。

かの20世紀特急の看板花形機

としてニューヨークセントラルの

顔でもあったドレフュスハドソンに

比べれば、必要とされた期間までもが

短命であったと思う。

New York Central 4-8-4 BakerValve Gear.

New York Central 4-8-4 Baker Valve Gear.

けれども、旅客用から退き

貨物サービスが主になっても

地の利に後押しされた

高速貨物ホーラーとして

その実力は遺憾なく

発揮されたそうだよ。

 

「そうだったんやね、

そやけど模型界では

超一流モデルやんね。」

 

そうそう、ゲージを問わず

とっても人気があるんだよ。

Nゲージのプラ製では

まだ作られたことがないだけれどね、

ブラス製ならサムホンサなんかが

かつて製造していたんだよ。

最近は殆ど見なくなったけれど

数年前まではたまに

オークションなんかで

見かけたよ。

 

「いつか、ハドソン、ナイアガラ、

E7 + 特典T3の4種セット付

20th Century Limited

フルセットなんかが

Nゲージで出るとええね。」

 

あー、それは自分の夢みたいな

願望だよ・笑・

自分の寿命が終わるまでに

見ることができるかなー?・・・。

 

「ずっと思い続ければ

きっと叶うよその夢、

時間ちゅうもんができるまでは

そういう世界だけやったって

ゆうてはる人もいはるから。」

 

おー、嬉しいことを言ってくれるね。

じゃー、それまでがんばってみるよ。

ありがとう。

 

「思うこと自体が

本当のその人自身

なんだよね、おじちゃん!」

 

君はパスカルの親戚かい?笑

またわけのわからないことを

言ってないで

そろそろ寝た方がいいよ。

 

「はーい、おやすみなさい」

 

はいはい、それでは

こちらもこれで終わりにしますね。

それではみなさま、また次回まで

さようなら (^0^)/