お気付きの方も多くいらっしゃる
ことと思いますが、ゲージに限らず
アメリカ本土でのローリングストック
と言えばやはり貨物車になります。
客車が不人気というわけでは
ないのでしょうが少なくとも
製品数で言えば圧倒的に貨物車より
少ないのが現状です。
けれども客車を製造している
メーカー数となると圧倒的な差は
ないのでいざとなれば
客車の製品数もあっという間に
増加する潜在能力はあると
感じます。
さて、客車の足元のお話です。
アメリカの製品の中には
貨物車にしても客車にしても
プラスティック製のホイールが
標準仕様となっている製品が存在します。
これをメタルホイールに
交換するときに一般に
気にかけることは寸法であると
思います。 もとの台車に
果たして合うのか?
ということです。
けれども別売されている
メタルホイール商品には
その他にもゲージに関わらず
区別されているポイントが
多数存在します。
思いつくままに挙げると
・色
・材質
・直径
・フランジ量
などです。
三つ目に挙げた直径は
スケ―ルダウンされた製品寸法
という意味ではなく、
実車の規格のことです。
実車の規格には
私が知っているだけでも
28インチ、33インチ、36インチ
38インチがあり、模型では
33インチと36インチが主流です。
最近はより実車に近い外観という
トレンドにより低フランジホイールが
人気です。 以前の高フランジホイール
ではやはりリアル派のCODE55以下の
レールでは枕木に車輪が干渉してしまいます
(NゲージでのCODE55の場合)。
実は今日のお話はこれら以外の
車輪の違いについてです。
それは車輪の顔、つまり
表面のプロファイルデザインです。
要は凹凸デザインの話ですが、
大きく分けると2種類あります。
百聞は一見しかず次の写真を
ご覧ください。
いずれも現在のNゲージ用製品ですが
それぞれ車輪の表デザインを
見てください。
BLMA製のものが外エッジから
内側に向かって曲線的に滑らかに
凹むのに対して、他の2社の製品では
外側エッジに一定幅の平面部分が
存在し、その後中心に向かって
矩形波的にすとんと凹みほぼ
そのまま平面で中心部となります。
別売りのメタルホイールを製品として
もっているメーカーは数多く
BLMAの他にフォックスバレー(Fox Valley)、
アサーン(Athearn)、アトラス(Atlas)、
マイクロトレインズ、バックマンにも
あったように思います。
ところが、それらは全て
BLMA的な表の顔なのです。
(もしかするとマイクロトレインズには
他にあるかもです。)
では一体この二つの顔の違いは
何なのでしょうか。
ルーツである実車の写真を見て
この謎を紐解いてみると
貨物車の車輪にはこれら両タイプが
見られるのに対して
インターマウンテンやラピドータイプの
車輪は客車に多いということです。
私は専門家ではないので詳細は
知りませんが、恐らく、
時代や客車メーカー、鉄道会社、
鉄鋼会社などの意向や技術的レベル
などの変遷も関与しているものと
思われます。
往年のプルマンとバッドの足元を
見てみましょう。
当時のプルマンは
ボルドウィンとアルコが鉄鋼会社と共に
立ち上げたGSC:ジェネラル・スティール・
キャスティング・カンパニーで台車や
車輪を調達していたようです。
以下、BLMA製(#9810)、
インターマウンテン製(#60052)、
そしてラピドー製の
メタルホイール実寸法を載せておきます。
何かの参考にしていただければ
幸いです。
これらの数値はお手頃価格のデジタルノギス
で測ったのでプラスマイナス0.05ミリ程度の
誤差はお許しください /(^o^;
BLMA製とインターマウンテン製のこれらの
商品にはマイクロトレインズの台車に
適合する旨が商品名、説明等にあります。
けれどもラピドー製に関しましては、
そもそもメタルホイールのみの
製品が無く、入手しようとすると
車輪付き台車とし購入しなければ
なりませんのでご注意ください。
(スイングハンガーが外側にある
「41-BNO-11」と
内側スイングハンガーの
「41-N-11」があります)
そしてマイクロトレインズ製台車に
搭載しようとすると台車側に
加工が必要だと思います。
けれども・・・さすが客車重視メーカー
ですね、台車エッジから見える
車輪がとてもリアルで美しいですね。
ちなみにこのラピドー社の「RAPIDO」とは
イタリア、スペイン語源で「ラピドー」と
発音しいわゆる急行を意味する
エクスプレス(EXPRESS)のことです。
この言葉はラテン語源では英語の
ラピッド(RAPID)になっています。
ラピドー社の担当者が鉄道模型ショー
で自社製品の説明をしているときには
やはり「ラピドー」と発音していました。
というわけで、
今回は「車輪の顔」のお話でした。
それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/