ファンの恩返し。

それは決してレベルの高いものである

必要はないようなのですが、継続する

ためにはどうもより深くあるべきのよう

なのです。

 

アメリカでの特にNゲージに関わる進化

の程度はここ20年くらいで急速に進み

ました。 世の進化や進歩、発展という

ものはその分野に拘わらず徐々に

当速度で進行するものではなくどうも

階段状に起こってゆくように感じます。

そしてそれは歴史を紐解けば誰しも

納得することなのかもしれません。

 

20世紀のおよそ半ば頃までに創業した

鉄道模型メーカはいわば老舗であるわけ

ですが、その製品で育ったファンの中から

新たな潮流を自ら作り出す人々が多数

現れました。

現在、ケンズタウンで扱っている製品の

主なメーカーに関しまして、その創業或いは

操業開始時期を以下に整理してみました。

主なNゲージ鉄道模型メーカーの創業時期一覧  by KEN's TOWN

主なNゲージ鉄道模型メーカーの創業時期一覧       by KEN’s TOWN

 

1990年代初めからの丁度15年間に

少なくともグラフ中の8社が名乗りを上げ

現在も活動中です。 彼らが事業を

立ち上げた思いはほぼ同じで、要は

「新しい技術を使って小さくともより

リアルな鉄道模型を作りたい!」

というものです。

これはよく言われる「大企業病」に

似た現象なのかもしれませんし、

そのものかもしれませんが、

組織が大きくなった老舗にとっては

諸事情からなかなか時代に即して

小回りの利く進化を自らのみで

実行してゆくのは通常困難です。

どうしても変わらざるを得ないエネルギーを

外部からの刺激によって溜めこむ必要

があるのです。

 

少なくとも上記8社の製品によって

老舗メーカーの多くは少なからず

良い影響を受けたことが、その

製品内容の変化からうかがえます。

人間の知識や技術は時間と共に

積み上げることができる要素です。

起業した人々は一見、老舗メーカーに

敵対しているようにも見えるのですが、

実は業界にとっては救世主であり、

勇気をもって変化した老舗のさらなる

存続を助け、応援していると言えるのでは

ないでしょうか。

起業した維新戦士たちは老舗メーカーの

製品で育てられ知識と技術を吸収

しました。 そして、新しい時代の新しい

技術を学び、それを古巣の鉄道模型

業界にフィードバックし、まさに

新知識と新技術を新しく積み上げ、

大先輩たちに恩返しをしているのでは

ないでしょうか。

 

人を継続的に動かせるのは結局「思い」

のようです。 努力して学んだ知識と

技術を生かす先が鉄道模型であった理由は

結局は「大好き」であったからなのだと

私は信じたいです。 だからこそ、

よりリアルな外観、よりリアルな走行、

そしてよりリアルな音で、よりワクワク感が

増すような製品を作りたい! という

深い思いが自然に芽生えるのでしょう。

 

アメリカの景気も少なくとも現在は少し

上向きかけているようです。 Nゲージ

に限らずアメリカの鉄道模型業界が

また徐々に活気づいてきているように

感じます。

大好きだからこそ進化存続してほしい、

というファンの思いに時代の違いは

ありません。 老舗メーカーを

立ち上げた先輩の方々もまた

深い思いをもった当時の維新戦士たちで

あったのですから・・・。

 

それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/