先頃、2014年秋発売とアナウンス
されていたバックマン製のバークシャーが
ようやく市場に登場いたしました。
以前に映画「ポーラー・エクスプレス」がらみで
一度バークシャーについては少し
お話させていただきましたが、今回は
バックマン製の5種の説明かたがたの
ご紹介です。
1930年代に入って人気となっていった
2-8-4は各種の鉄道会社に
納入されますが、今回発売されましたのは
その中でも有名なトップ3の鉄道会社です。
ペア・マーケット(Pere Marquette)鉄道、
ニクル・プレート・ロード(Nickel Plate Road)、
そしてC&O鉄道です。
ペア・マーケット(PM)は1899年に設立された会社
ですが、1947年にC&O鉄道に吸収されます。
ペア・マーケットのペア(Pere)はフランス語で
聖職者の「ファーザー」の意味です。
Pere Jacques Marquetteというフランス人に
ちなんで命名されています。
路線範囲は5大湖周辺中心で
インディアナ州、ミシガン州、オハイオ州、
そしてカナダ領であるオンタリオ州です。
この会社は1937年から44年にかけて
ライマ(Lima)製のみ2-8-4タイプを購入。
以前のブログで映画「ポーラー・エクスプレス」に
登場の2-8-4はボルドウィン製とお話しましたが、
実はそのモデルとなったのは現在も保存
されている#1225のライマ製だったようです。
そしてその#1225が今回の5種の製品のうちの
1つなのです。
ニクル・プレート・ロード(NKP)の正式名称は
ニューヨーク・シカゴ・アンド・セントルイス鉄道で
長いので「NYC&St.L」と省略されます。
1881年に創立ですが1964年にノーフォーク・
ウェスタン鉄道(N&W)に吸収されます。
こちらの路線範囲も5大湖の南側中心で、
ニューヨーク州、ペンシルバニア州、イリノイ州、
インディアナ州、ミズーリ州、オハイオ州です。
NKPは全部で80両ほどの2-8-4を購入しますが、
そのうち15両がアルコ製で、残りの65両が
ライマ製になります。 1934年に初めて納入
されたアルコ製2-8-4は「クラスS」と呼ばれます。
今回バックマンで製品化されたNKPの2-8-4は
#759、#765の2種ですがいずれも1940年代
半ば、ライマ社から納入の「クラスS2」になります。
最後がC&O(チェサピーク・アンド・オハイオ)鉄道
です。 C&Oも1940年代に90両ほど2-8-4を
購していますが、やはりアルコ製とライマ製が混在
しています。 今回製品化されているのは、
#2724と#2760ですがいずれもアルコ製で
#2724は1943-44年に納入された車両、
#2760は1947年に納入された最後期の
車両です。 で、この年代の中間、
1945年と47年にはC&Oはライマ社から
2-8-4を調達しています。 つまり
今回のバックマン製の2-8-4には
ライマ製のC&Oバージョンが無いわけですが、
ライマ製2-8-4C&Oは以前にLIFE LIKEの
PROTOブランドから製品化されかなり人気を
博しました。
さて、これまでアルコ製、ライマ製の2-8-4
についてお話しましたが、この2種を区別するのは
いたって簡単です。 恐らく外観で見分けやすいのは
サンドドームとスチームドームの位置でしょう。
ボイラー前方に偏って平らなサンドドーム
(4本のサンドパイプが出ている)、その後ろに
丸型のスチームドームがあるのがアルコ製。
一方、前方にスチームドーム、その後ろに
平らなサンドドームがボイラー中心付近に
あるのがライマ製です。 その他今回の製品では
きちんとテンダーデザインまで作り分けられています。
2-8-2ミカドから脱却した進化形である
超人気バークシャー2-8-4、
バックマン製のサウンド付で
古豪一流鉄道とその路線風景を
思い起こすのもとても楽しいですね。
それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/