鉄道模型は「おもちゃ」ですか?

 

 

 

本日もケンズ鉄道にご乗車いただき

ありがとうございます。

 

先日、電話で開店以来初めての依

頼が舞い込みました。

それは、本の執筆の依頼でした。

 

「えーっ、

おじちゃんも作家デビューやねー (^o^)/ 」

 

いやいや、そんなに大げさなことでは

ないんだけどね /(;^_^)

 

「ほんでなんてなんて?」

 

なんでも、ご当人は有名大学の教

授で、おもちゃの研究をされている

専門家なんだって。

後で調べてみたら、ウィキペディアに

ちゃんとその人のことが載っていたよ (^^

 

依頼内容は、これから出版を予定

している数々のおもちゃの紹介本の

中で、アメリカ型鉄道模型の紹介文

を数ページ程度書いてほしいというも

のでした。

 

「すごいやん、おじちゃん! (^o^) 」

 

いやいや、文章を書くのは嫌いじゃ

ないから、ちょっと考えてはみたんだけ

れどね、おじちゃんはNゲージ専門で、

アメリカ型全てを背負って書くのには

適任じゃないと思ったから、丁重に

お断りしたよ (^^

 

お断りのついでと言っては語弊があり

ますが、アメリカ型の老舗でもある

「さか〇う」さんをかわりに紹介しまし

た。

すると、実は最初に依頼したのは

「さか〇う」さんで、

「鉄道模型はおもちゃじゃない!」

と言われ断られたのだそうです。

 

「たしかに、ファンにとっては

”おもちゃ”はきん句かもやねー。」

 

うん、そう言われてカチンときたファン

が、そうではない理由を熱く言い返

す場面が思い浮かぶね (^-^) 

 

「おじちゃんは、どうなん?」

 

うーん、言われ方にもよるけど、今回

のような学術的な観点からのおもちゃ

なら、大して腹は立たないし、もし

「なぜ鉄道模型はおもちゃじゃない

のか?」なーんてエッセイの依頼なら

ほいほい受けちゃうよ 笑

 

「ひろい意味やと、たしかに

おとなのおもちゃかもやしねー 笑」

 

そう、その先生も広い意味で受け取

って欲しいとおっしゃってたよ。

でね、おじちゃんは考えたよ。

 

「何かんがえたん?」

 

いやね、鉄道模型がおもちゃじゃな

い証拠ってなんだろう?ってね。

 

「ほんで、わかったん?」

 

うん、自分なりに結論が出たよ b(^_^)

「実物に少しでも近づけたいという強

い思いや情熱があれば、きっとそれは

おもちゃじゃない」ってね。

 

以下、いくつかその具体的な証拠を

書いてみますね (^^

 

1.ナックルカプラーの件

今でこそアメリカ型Nゲージのカプラー

は、全てナックルカプラーで新製品が

統一されていますが、

ついこの間まで(10年以上前ですが)

あの巨大なアーノルド型カプラーが

使用されていました。

けれども、より実物に近いナックル型

に変更しようと業界が一丸となって

実行したわけです。 実際にやるとな

るとかなり面倒くさいことだったでしょう。

でも、実際にそれをやったんです。

きっとそこには、皆に共通した強い思

いがあったからこそのはずですね。

おもちゃなら、機能として連結さえで

きれば、ナックル型に変更する必要

はなかったことでしょう。

 

2.ディテール表現の件

例えば、ハンドレール。

プラスティック製をより細くしようとする

と、必ず歪みが出たり破損しやすく

なりますね。

けれども、そんなリスクを承知で細い

ものを作り続け、メタル製にしてまで

細さに拘わったりするわけです。

例えば、グラブアイアン。

一体成型の凹凸表現では満足せず、

わざわざ一つ一つ取り付けに手間の

かかる別付けメタルパーツを装備する

Nゲージ車両が増えました。

おもちゃなら、多少手荒い扱いをし

ても壊れないように、むしろハンドレ

ールなら太めに、グラブアイアンなら

怪我がないよう角の少ない凹凸

表現で済ますことが常識でしょう。 

3.車輪の件

交換用のメタルホイールの精密化が

進んでいます。

精密ホイールでは、フランジが小さく

設計され、車輪の裏面にも実物同様

の凹凸表現があります。

おもちゃなら、脱線確率がむしろ高ま

るフランジの縮小や、よりコスト高にな

る余計な凹凸表現は無意味でしょう。

 

4.レタリングの件

肉眼では読めないようなマイクロレタ

リングが施されていたり、実物と同じ

文字フォントにまで拘ります。

おもちゃなら、読めることが前提であり、

文字の大きさやフォント種は自由設

定でよいはずです。

 

5.サウンドの件

動力車や一部の貨車でもデジタル

サウンド搭載製品が増えました。

さらに、同じサウンドでも実機から録

音したその機種のオリジナルサウンド

(オーセンティックサウンド)に拘ります。

おもちゃなら、むしろそれとわかるより

デフォルメされた音を使った方が聞き

手にわかりやすいことでしょう。

 

6.走行性能の件

飛び出しスタートや速度がぎくしゃく

しないよう、モーター種やギヤ選定、

駆動方式などをメーカーは一生懸

命研究しています。

おもちゃなら、速度が変わる必要は

ないでしょうし、超スロー運転が利く

ことの価値はないでしょう。

 

「よーいろいろかんがえたなー、

おじちゃん! 笑」

 

いやいや、好きな人なら皆知ってい

ることを書いたみただけだよ。 

他にも、これもあれもとファンが言い

たいことはもっともっとあると思うよ (^^

 

「そうゆふうにするもくてきは、

 ただ一つ、ゆーわけやね!」

 

そう!

許される限り、実物にできるだけ

近づけたい!

この思いに尽きるよね (^^

 

そんな思いが込められているかぎり、

鉄道模型はおもちゃではない!

と思うのでした \(^0^)/  おわり

 

それではみなさま、

また次回までさようなら (^0^)/