機関車もアメリカ人もスタンドアローン!?

皆様、いつもケンズレールロードをお訪ね

いただきまして本当にありがとうございます。

今回は直接鉄道に関係した話ではありません。

「アメリカ人論」などというとかなり大袈裟ですが、

日本人或いは日本文化とは決定的に異なる点

の一つをご紹介いたします。 アメリカの

鉄道史もアメリカ人のこんな気風をかじった上で

見てみると、ときにたいそう納得できることが

あります。

 

さて、それは昨年のことでした。

鉄道関連グッズをアメリカの有名ストアで

オンライン購入しました。 ところが、

連絡を受けていた到着日時を過ぎても

いっこうに届きません。 そこで、

そのストアのサポートセンターに連絡し、

事情を伝えました。 先方がどのような

情報のもとにそうアクションしたのかは

不明ですが、あっさりと何の質問や

トラブルもなく全額の返金処理を進めて

くれました。 商品に多少の未練は

ありましたが、小荷物の行方不明は

ある確率で必ず起こる事態ですので

仕方ありません。 ところが・・・・・。

 

全額返金処理が終了した日から

2か月以上経った今月、その品物が

ひょっこりと無傷で届いたのでした。

日本の配送業者には配達完了記録が

残るでしょうから嘘はつけません!(^_^;;

そのストアのこんな事態での対応説明を

読んでみると、2者択一。 商品を全て

返品(返送)するか、全額支払い直すか。

けれどもこちらとしても全額再支払するのも

なんだか腑に落ちないので、こちらが

被った不利益について詳細に説明し、

商品を受け取った上で再支払も免除

してもらえないか? という提案を

サポートセンターにしてみました。

直ぐに受け取った返事には、

丁重な謝罪とともに、こちらの言い分に

理解を示す内容がありました。 けれども

その担当者の権限上、全額はとても

無理なので、半額のみ再支払して

もらえないか? ということでした。

その文章がアメリカ人とは思えないほど

謙虚で丁重であったので、お礼と共に

半額再支払で承知する旨を返信いたしました。

するとすると・・・、

今度はそのストアの経理部門の管理者の方

から連絡が入りました。

「商品の配送が予定されていた日程から

大幅に遅延したことは間違いなく、

そちら(私)の言い分は正当である」 という

内容で、その結論として

「当方(そのストア)が少額でも再び支払いを

そちらから受けることはできません」と。

要は、もう払わなくていいよ、ということでした。

なんだかホッとすると同時に、何か

心が理解し合えたような嬉しい気持ちに

なったのです。 もちろんその対応は

先方のトラブル対処の基本ガイドライン

に忠実に沿ったものなのかもしれませんが、

人の心とは国によらずそんなものですよね。

 

で、この話で何が言いたいかといいますと、

アメリカの個人個人は、たとえ会社のような

組織に属していたとしても、理解さえ

してもらえれば随分融通が利くということです。

そしてそこで重要なのが、こちらの言い分、

主張を一従業員であろうと社長であろうと

先方にとにかくそれを理解してもらえるように

伝えてみることです。 もちろん伝えたからと言って

こちらの言い分が常に通るということでは

もちろんありませんが、それが正当な主張であれば

なんらかの配慮を受け取れる確率は

日本よりも圧倒的に高いです。

そしてそのリアクションが大抵その

担当者自身の判断で即その場で実行

される点が日本文化とは明らかに異なります。

これは何も前述の出来事ひとつで

結論付けているわけではなく、

在米時の自分自身の経験から

感じることなのです。 例えば、

 

こんなことが在米中にありました。

近所の大手ハンバーガーチェーン

でのこと。 いつもどおりセットメニューを

牛乳で注文しました。 カウンターで

受け取るときに店員さんが、

「あなたの体格じゃこれでは

全然足りないですよね?」と言って

本来セットでは180ccくらいの紙パックミルク

1つのところを、2つくれたのでした。

もちろん後にも先にもこんな対応は

この時一回ですが。

 

とにかくそれに類する経験を

これ以外にもたくさんしたのでした。

 

業界用語?で、他の設備の一部と

なっていたり、コンピューターのような

他の装置からの指令や命令を受けて

動くタイプではなく、その装置自身での

判断と動作が独立して完結している装置

のことを「スタンドアローン(Stand Alone)」型と

いったりします。

組織やグループに属してはいても、

判断とその対応がある程度個人に

まかされている、そしてそれゆえ

個人が自覚と責任を感じることができ、

自分自身に誇りをもてる、そんな

文化なのです。

 

もちろん、そんな文化が担っている大国が

突出して幸福に満ち溢れているわけでは

ないわけですから、何ももろ手を挙げて

賞賛するつもりはありません。

物事は常に表裏一体なのですから。

あのメビウスの輪でさえ、光に当たれば

必ず陰と陽ができるのです。

ただ、そんな文化の基本の違いを肌で

理解しておくことは、特に自分のような

他国の人々とかかわる仕事では

とても重要であると感じます。

けれども、その文化以前に

双方が必ず持っている生き物共通の

「心」が存在している限りは、

理解し合える可能性は決して

ゼロではないと思うのです。

 

最後までありがとうございました。

それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/