元旦から随分経ってしまいましたが、
皆様、明けましておめでとうございます。
本年もケンズレールロードをどうぞ
宜しくお願いいたします<(_ _)>
さて、近年我が家で恒例行事となって
いるのが家族での「モノポリー」です。
1935年にアメリカで発売された伝統的
ボードゲームです。 ここに登場する
4つの鉄道については、以前にここで
お話をさせていただいたことがあります。
で、結論から申しますと、皆様にお詫び
しなければなりません。 登場する4鉄道
のうちの一つが「Reading RR」なのですが、
その時の内容には「リーディング・・・」と
記述しました。 日本語版モノポリーにも
確かにカタカナで「リーディング鉄道」と
表記されています。 しかし、この鉄道会社
の正式名称は「レディング鉄道」なのです。
事の発端は私が何かの用事でサイトを
検索中にふとある投稿に目が行きました。
それはやはりモノポリーに関するもので
一般のアメリカ在住の一市民からの
質問でした。
「・・・モノポリーの愛好者ですが、
先日、モノポリーのコンピューター用
ソフトを購入してプレーしていると
コンピューターが「Reading Railroad」
のことを「レディング・・・」と発音しました。
自分はずっと「リーディング」だと認識
していたのですが、本当はどちらが
正しいのでしょうか?」
もちろんその回答欄には「レディング」
が正解とありました。
自分もカタカナ表記通りに「リーディング」
だとずっと思っていたのでこれには
びっくり。 そしてこの鉄道について
すこーし調べてみると、やはりこれは
「レディング」が正解でした。
1833年4月4日、この鉄道は
ペンシルバニア州のフィラデルフィアと
レディングを結ぶ鉄道として生まれました。
そうです、READINGは地名でした。
フィラデルフィアから北西に80キロほどの
ところに今もあるレディングという街、
地図で調べると日本語表記もちゃんと
「レディング」とありました(^^;
アメリカの老舗鉄道の一つレディング鉄道
(Philadelphia & Reading )なのですが、
その後の経営環境の影響で一般には
鉄道としての名前は薄れ、経営母体の
レディングカンパニーとして有名になります。
その後の路線拡大により、北へは他鉄道と
共同でニューヨークまで列車を運行しました。
当初は旅客用の交通機関が主な目的
でしたが、石炭の採掘が各地で活発になると、
石炭運搬路線として活躍します。
さて、この鉄道に関して機関車の話となると
少なくとも3つを紹介しなければなりません。
年代の古い順で行くとまず「キャメルバック」
です。 よくご存じの方も多くいらっしゃること
でしょう、キャブ(運転室)がボイラーと
ファイアーボックスの真ん中にある独特の
スタイルの蒸気機関車です(センターキャブ型)。
この地で採掘される石炭は成分が少し特殊で
一般用に使用するには約20%にも及ぶ廃棄炭
を出す製錬が必要でした。 各採掘現場に山積
しているこの廃棄炭(アンスラサイト、ハードコール:
無煙炭)を蒸気機関車の燃料として再利用すること
を考えたマスターメカニックのJhon E.Wootten
が、この燃料独特の燃焼特性に合わせて
広くて浅いタイプのファイアーボックスを開発
しました。 このファイアーボックスを搭載したのが
「キャメルバック」でした。 キャメルバックは
写真の4-6-0の他にも2-8-0をはじめ
様々なホイールアレンジメントで製造された
のでした。 しかし、この配置では機関士たち
の作業にかなり危険が伴うことが問題視され、
1918年頃から新たな製造が例外を除いて
禁止されてゆきます。
2つ目はレディングが誇るフラッグシップ列車です。
フィラデルフィアとニューヨークを結ぶステンレス列車
「クルセイダー(Crusader):十字軍の戦士」です。
この4-6-2パシフィック型、そしてその次代の
4-6-4ハドソン型はこのようにひんぱんに
フルストリームラインバージョンが各鉄道で
製造されました。 まさに流行であったのでしょう。
このシルバーとブルーの対照がなんとも美しい
鉄仮面です。
そして最後が、クラスT1型4-8-4です。
レディングは自社製造工場(SHOP)を
もっていたので、これはアルコやボルドウィン、
ライマ製ではなく正にホームビルト(home-built)
だったのです。
T1は鉄道ファンに大人気で、既に一線を
退いていた1960年代に行われた
「レディング・ランブル(Reading Rambles):
レディングでお散歩」という観光運転
(イクスカーション、デイトリップ)は大好評を
博しました。
他国の言葉を自国の言語にするのは
非常に難しいですね。 今回のレディングも
そうですが、少なくとも地名や人名は
文字表記に左右されず、そのオリジナルの
音名を重要視したいものです。
「謙治」さんはたとえ海外に行っても、
音は「ケンジ」であって、例えばそれを
「ケンバル」さんと他国の表音事情で
呼ばれたならやはり悲しいですものね。
それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/