皆さん、メリークリスマス!
今日は2014年のクリスマス(12月25日)です。
日本ではもうすぐクリスマスも終わりますが、
今頃アメリカは丁度クリスマスの朝。 子供たちは
クリスマスツリーの下にわくわくのプレゼントを
見つけて大興奮しているかもしれませんね。
さて、アメリカでは一般的にクリスマスホリデイズ
は長期休暇になります。 昼間も、ハワイでゴルフを
するオバマ大統領がテレビニュースになっていました。
これは日本の年末年始休暇とよく似ているかも
しれません。 そう、当時の鉄道会社にとっては
人々が大移動する書き入れ時なのです。
50年代くらいまでは、旅客の主な交通手段は
やはり鉄道だったのです。 そんな様子を
今日は自分の好きなニューヨークセントラルで
見てみましょう。
なんともいい雰囲気の情景ですね。 夜行列車が好きな
自分にとってはとても魅力的な風景です。 そうです、
地方からニューヨークやシカゴに働きに出ている人々を
「是非ともニューヨークセントラルで快適な帰省を!」と
誘っているわけですね。
「クリスマス・ウィンドウ」の絵はまさにこれからおじいちゃん、
おばあちゃんに会いに行く年末の新幹線東京駅の風景と
なんら変わりませんね。 この広告の宣伝文句には
「(鉄道なら)お天気なんか関係ない!」というような
フレーズがあります。 これは航空機に旅客を
奪われ始めた危機感の表れなのかもしれません。
「みんなを故郷に呼び寄せる切符のプレゼントは
いかが?」という宣伝文句もあります。
では、当時のニューヨークセントラルにはいったい
どんな列車が帰省に使われていたのでしょうか。
次にお見せする同社のクリスマスシーズン用
雑誌・新聞広告には興味深い内容が明記して
あります。
当時ニューヨークセントラルはニューヨーク・シカゴ間の
「ウォーターレベル・ルート」をメインラインに各地に
特急列車を運行させていました。 この広告は
第二次世界大戦直前の時期のクリスマスシーズンの
ようなのですが、「グレーテスト・フリート(World’s
greatest fleet of trains )」として12種の特急が
示されています。 以下、広告の絵の左端から
1.CLEVELAND LIMITED
2.OHIO STATE LIMITED
3.THE PACEMAKER
4.THE DETROITER
5.NEW ENGLAND STATES
6.SOUTHWESTERN LIMITED
7.JAMES WHITCOMB RILEY
8.TWILIGHT LIMITED
9.EMPIRE STATE EXPRESS
10.COMMODORE VANDERBILT
11.20TH CENTURY LIMITED
12.THE MERCURY
と列車に説明書きがあります。
それぞれの列車名の下には運行区間(都市名)
が書いてあるのですが、字で読んでも
ピンと来ないので地図にしてみました。
右端に前述した列車群と運行区間を書き直しました。
どの列車がどこを通っていたか是非地図でなぞってみて
ください。 なんとなく旅行気分になれます(^-^)
ニューヨークセントラルでは、シカゴからニューヨーク・
ボストン間のアメリカ北東部各地へと休暇で帰省する
人々を送り届けていたことがわかります。
この12列車の中で異色なのは、4番目の「デトロイター
(THE DETROITER)」という特急です。 運行区間は
その名の通り、ニューヨーク⇔デトロイトなのですが、
唯一カナダ領を通過するのです。 上の地図では
緑線のデトロイトとバッファロー(BUFFALO)の
区間なのです。 この路線は50年代に
ニューヨークセントラルとしては廃線となるようですが、
興味深い路線ですね。 実はこの路線を使用した
列車は、「THE LAKE SHORE LIMITED」、
「THE WOLVERINE」などいくつかあるようです。
先ほどの12列車の広告の絵には、お馴染み
ライトニング・ストライプのキャブディーゼル機関車
(EMD-E7)が牽引機となっていますね。
当時の写真を見ていると時代にもよりますが
その殆んどがEMD-E7、EMD-E8、そして
ALCO-PAです。 また3連結でE8A-E7B-E8Aなどの
異種ブースター(B-Unit)編成も稀ではなく、
各機関庫などの事情に合わせて臨機応変な
対応がされていたのかもしれませんね。
脱蒸気機関車が当時の各鉄道会社の
アピールポイントとなっていたようです。
往年のホームでの帰省ラッシュ風景は、
もう今のグランド・セントラル・ターミナルでは
見られないのかもしれませんが、
家族や友人のいる遠い故郷に向かう人々の
心の風景は、時代や国を問わず今も変わらない
ように思います。
それでは皆様、また次回までさようなら(^0^)/