ビッグボーイを持ち上げる馬力!? 

 

 

 

本日もケンズ鉄道にご乗車いただき

ありがとうございます。

 

さて先日、ブロードウェイリミティッド社

の新製品であるEMD SD70ACeを

発売致しました(第2期販売)。

Tier3仕様では最高出力4500馬力

という強力なパワーをもったお馴染みの

ディーゼル機関車です。

 

「4500馬力ゆーけど、どれくらい

すごいんか今ひとつわからへんわー。」

 

うんうん、確かに数字が大きすぎてイメ

ージすることがちょっと難しいよね。

 

「馬力のこともよーわからへんし・・・(> _<) 」

  

おっけー!

じゃー、馬力についてちょっとおななし

するね。

  

馬力という単位は、イギリスで蒸気機

関が発明されたときに、その能力を表

すために決められたそうです。

一頭の馬が一定時間にある重さの荷

物をどれだけ(距離を)動かすことがで

きたかが基準になっています。

「馬力」には「力」という文字が入って

いますが、実は馬力は物理で言う「力」

を表す単位ではありません。

一定時間内にすることができる仕事

(=エネルギー=力×距離)量を表す、

いわゆる物理用語の「仕事率」に相

当します。

一般には「パワー」という言葉がこれに

近いのかもしれません。

  

「しごと率かー・・・・???」

 

仕事率の「率」は「一定時間あたりの」

という意味だから、同じ仕事量をこな

したとしても、それにかかった時間が短

い方が仕事率(=馬力)は大きいこと

になるんだよ。

  

1馬力の大きさをわかりやすくイメージ

するために、物を持ち上げる動作を

考えてみます。

例えば、重さ10キロの重りを1秒で

1メートルまで持ち上げたとします。

このときの仕事率をキログラムとメート

ルを使って表すと、おおよそ

10kgf ・m/s

ということになります。

10kgfは10キログラム重のことで、10

キロの物を持ち上げて静止しているとき

に手が感じている「力(重力)」です。

この力をかけ続けながら1メートル動か

したわけなので仕事量(=力×距離)が

10kgf × 1メートルで10kgf ・mとなり

ます。

この仕事を1秒間に行ったので、単位

時間(1秒(s))あたりにすると、1秒で

割って10kgf ・m/s となるわけです。

 

「うんうん、それはえーけど、

 けっきょく1馬力はどうなるん? 」

 

そう、1馬力はメートルとキログラムを

使うと約76kgf ・m/sに相当します

(英式)。

つまり、おおよそだけど、重さ76キロの

重りを1秒で1メートル持ち上げた時

に必要なパワーのイメージだね (^-^)

 

「76キロかー・・・

 たぶん1人では持ち上がらへんし、

 それを1秒でやから、たった1馬力

 でもごっついなー。 (^o^)/ 」

 

うんうん、76キロを1メートル上げると

なると普通の大人なら3~4人がかり

だよね (^^

ワット(W)も仕事率の単位で、1馬力(HP)=745ワット(W)に相当します。

馬力には、最初にポンド(重さ)とフィー

ト(距離)からイギリスで決められた英式

(単位はHP、またはBHP)と、後にメ

ートル法で使いやすい値にした仏(フラ

ンス)式(単位はPS)の2種類があり、

現在、日本で使用される馬力は仏式

に定められています。

 

じゃー、最初に言ったSD70ACeの最

高出力はいくつだっけ?

 

「4500馬力(英式)!! 笑」

 

kgf ・m/sに換算すると、なんと

34万2180kgf ・m/s にもなる

よ!!

つまり、約342トンの重さを1秒で1メ

ートル持ち上げられるパワーになるねっ!

 

「342トン・・・・(^^;; 」

 

調べてみるとね、テンダーを除いたあの

ビッグボーイの重量が約350トンらし

いよ。

4500馬力(英式)は約3352キロワット(kW)になります

「SD70ACeを見る目が

 かわるわ・・・。」

  

ま、スピードが上がった時の最高出力

の話だから、発進時からビッグボーイを

持ち上げられるわけじゃないけどね。

それにしても・・・だよね (^^

  

今日は、ちょっとめんどくさい馬力のお

はなしをさせていただきました。

馬力の数値を見たときに少しでもイメ

ージしやすくなりましたら幸いです。

 

「Nゲージの世界でやったら

 ビッグボーイ、片手で

 持ちあがるでー (^o^)/」

 

それではみなさま、

また次回までさようなら (^0^)/