フェアバンクス・モース車両たちの模型化動向。

さて前回は、アメリカ鉄道に一時期だけ

かかわったフェアバンクス・モース(Fairbanks

Morse)という会社についてお話をしました。

今回は、今日までに模型化されている同社製

車両たちについてのお話です。

 

F-M車両の中で一番人気といえば

やはり「エリービルト(Erie Built)」なのでしょう。

当然のごとく今までO,HO,Nの各ゲージで

製品化されいます。 前回のお話の中では

Oゲージ(1/48)のミルウォーキーロード

鉄道(ハイアワサ)のエリービルトの写真を

見ていただいたと思います。 このペイント

スキーム以外にも各ゲージでは、サンタフェ、

ユニオンパシフィック、ペンシルバニア、

ニューヨークセントラルなどいくつかの

バリエーションがあります。

Erie Built A-unit ATSF

Erie Built A-unit ATSF

 

けれどもどのゲージでもエリービルトは

引っ張りだこで手に入れられる機会は

そう多くはありません。

Nゲージに限っていいますと、

2002年にウォルサー・ライフライクから

Aユニット単品とA/Bユニットセットが

6種程度のペイントスキームで発売され

ています。 先日はケンズタウンにて

Aユニット単品のNYC及びPRR仕様を

発売させていただきました。

 

F-Mのキャブユニットとしてはもう一つ

「C-liner」があります。 ところが、この車両は

あまり人気がないのか各ゲージ共にあまり

みかけません。 形式的には前回もお話

しました通り6種あるのですが、外観デザイン

としては大きく二つです。 4軸(2軸+2軸)仕様

と5軸(2軸+3軸)仕様です。

CFA20(24)-4 C-liner NYC

F-M CFA20(16)-4 C-liner NYC (4-axle B-B)

 

製品名としてもあまりCPA~、CFA~とは

明記されておらず単に「C-liner」と書いてある

ことが多いようです。 上の写真はLIFE-LIKE製

NYC仕様ですが、このペンイントスキームの他、

旅客用に多く使用された「ライトニング・ストライプ」

仕様のNYCもあります。

F-M CPA24(20)-5 MW 5-axle B-A1A

F-M CPA24(20)-5  C-liner  MW   (5-axle B-A1A)

 

C-linerでもこの写真のような5軸(CPA)は殆ど

見かけません。 写真の製品はかなり以前に

アトラス(ATLAS)がリバロッシと共同で発売した

Nゲージのミルウォーキーロード仕様です。

 

さて、F-Mのフードユニットですが、少なくとも

C-linerよりは一定の人気があるようです。

中でもやはり一番人気は「トレインマスター

(Train Master H24-66)」でしょう。

F-M H24-66  Train Master  SP

F-M H24-66 Train Master SP

 

1951年当時、孤高の2400馬力をたたき出した

「FM 38D-12」型12ピストンOP(対向)エンジンが

魅力なのかもしれません。 Nゲージではアトラスから

過去何度も繰り返し発売されています。 外観仕様も

フェイズA仕様(PhaseA)、フェイズ1B(Phase1B)仕様、

フェイズ2(Phase2)仕様があったと思います。

この他のフードユニットでは、H10-44、H12-44、

をたまに見かけます。

F-M H10-44 PRR

F-M H10-44 PRR

 

またNゲージではH15/16-44が

やはりアトラスから発売されています。

F-M  H15/16-44 Early Body with round windows.

F-M H15/16-44 NH  Early Body with Round Windows.

 

窓のエッジが丸いタイプの初期型や

ボディサイドの手すりの位置がエンジンフード

側面であったり通路外側であったりする

外観仕様の違いがあるようです。

F-M  H15/16-44 MW  Late Body with Square Windows.

F-M H15/16-44 MW Late Body with Square Windows.

 

F-M製フードユニットにはある外観上の

共通する特徴が特に初期にはありました。

なんとなく不恰好?に縦長ではありませんか?

この外観の特徴は恐らくボデイ内部に

鎮座しているF-M特製対向ピストンエンジンの

形状が影響していると思われます。

このエンジンの特徴は、シリンダーヘッドが

無く、縦長の同一シリンダー内に対向(Opposed)

する二つのピストンが存在しています。

F-M Opposed Piston High Power Engine.

F-M Opposed Piston High Power Engine.

 

よって、各ピストンが連結するクランクシャフトが

エンジンの上下端に2本あるのです。

しかも通常これらのシリンダーは上の写真

のごとく直立しており、エンジン外形高さには

ピストン2つ分以上の長さが反映するわけです。

ピストン数は主に6個から12個、馬力は1000~

2400馬力までのバリエーションがありました。

エンジン自体も歴史的に貴重であるため

各所で保存され、ときにエンジン単体での

始動イベントなども開催されているようです。

 

以上、フェアバンクス・モース製車両たちの

模型界事情です。 実機の栄華期は終わって

しまいましたが、模型界ではまだまだいけてる

F-Mディーゼルたちなのです。

 

それではみなさま、また次回までさようなら(^0^)/