前回はシカゴから西への旅にCB&Q鉄道を
使うお話をしましたが、もしみなさんが西海岸
でももっと北のワシントン州シアトルやタコマ
へ行きたいとおっしゃるならミルウォーキー鉄道
が一番だったでしょう。
通常ミルウォーキーロード(Milwaukee Road)と
呼ばれるこの鉄道会社の正式名は
シカゴ、ミルウォーキー、セントポール & パシフィック
鉄道(Chicago, Milwaukee, St.Paul & Pacific Railroad)
というやたらに長い名前です。 略式ではCMSP&PRR
となります。
1847年に創業したこの鉄道会社は実に1980年まで
存続した老舗鉄道で現在もアメリカでは多くのファンがいます。
日本でミルウォーキーロードのコレクターなら、これはかなり
マニアックでアメリカ鉄道をよく御存じな通な方だとイメージ
してしまいます。
さて、ミルウォーキーロードといえば、やはりあまりにも有名な
ハイワサ(Hiawatha)という特急列車を語らずにはいられません。
実はこの特急列車には路線によって以下の5種類ほどのバリエーションが
あったようです。
1)Twin Cities Hiawatha (Chicago — St.Paul & Minneapolis)
2)North Woods Hiawatha (New Lisbon — Minocqua(ミナクゥア))
3)Chippewa(チパワ) -Hiawatha (Chicago — Ontonagon)
4)Midwest Hiawatha (Chicago — Sioux Falls(スーフォールズ))
(Chicago — Omaha)
5)Olympian Hiawatha (Chicago — Seattle, Tacoma)
それぞれは鉄道網の中のそれぞれ異なる都市間
を結んでいるので、特にシカゴからご乗車の際には
くれぐれもお間違えないように!(^_^)
全く違う街に連れて行かれます(>_<)
さて、特急ハイアワサといえば特徴的なのがその展望車
ではないでしょうか。
恐らくは空までが見えるとアイマックスシアター顔負けの
眺望だったことでしょう。 特にロッキー山脈を抜ける
ルートでは痛快であったに違いありません。
ハイアワサにはこの展望車以外にビーバーテールと
呼ばれるタイプもありました。
そして何と言ってもハイアワサで人気を博したのが
ドームカーです。
この車両に乗車すれば周りにそびえる山々がそれは
それは美しくダイナミックに見えたことでしょう。
そして、気になるこの特急の牽引機です。
おそらく初期に使用されていたと思われるのが
Buldwin製F6ではないでしょうか。
まさに特急列車にふさわしい80インチ(203センチ)という
大径ドライバーを備えたハドソン型4-6-4です。
しかし、ハイアワサの牽引蒸気といえばことさらよく登場
するのがALCO製のF-7でしょう。
なんとこの機体のドライバーは大径のF6の80インチを
さらに上回る84インチ(213センチ)なのです。
いかに所要運行時間に気を遣って最高速にこだわったか
がうかがい知れますね。
蒸気機関車の次はやはりディーゼルの登場です。
またもや貴重な名機です。
ALCOのPAやEMDのEシリーズに対抗してF-M社
(Fairbanks-Morse)が開発したのがこのエリービルト
(Erie-built)なのです。 F-M社の工場だけではこの
機体の量産が難しかったため、GE(General Electric)社
のErie(エリー:ペンシルバニア州)工場に下請けを依頼し
ていたためこの名前がついたようです。
エリービルトAユニットはこのミルウォーキーロード分14両
以外にもATSFに6両、C&NWに4両、NYCに12両、
PRRに36両、UPに8両が納入されました。
今回の記事に興味をもたれて、アメリカ型をミルウォーキーロード
からスタートしたいと思われるかもしれませんね。
ケンズタウンには現在、一両もミルウォーキーロードの車両が
在庫として確保されておりません。それは、アメリカでは大人気の
ミルウォーキーロードが日本ではまだ無名で購入者がおられない
ためです。 しかし、アメリカ本土にはもちろんミルウォーキーロード
の車両が流通しておりますので、気になる車両がございましたら、
是非お問い合わせくださいませ。
それではみなさま、また次回までさようなら(^0^)/