シカゴから西へはCB&Qで!?

アメリカの鉄道会社の名前で日本でお馴染みなのは

なんといってもユニオンパシフィック鉄道のようです。

それ以外ではサンタフェ鉄道やペンシルバニア鉄道、それに

ニューヨークセントラル鉄道が人気のようです。

ではその次は?

シカゴから西のアメリカ中西部の大鉄道といえばやはり

シカゴ、バーリントン&クインシー鉄道(CB&Q)では

ないでしょうか。 小さな鉄道会社から始まった同社は

1855年にこの名前となりました。1970年にバーリントン・

ノーザン鉄道(BN)に吸収されるまで、ゆうに100年を超す

歴史を刻みました。 その路線網は広大な範囲に及び、

まさに中西部の雄と言える第一級(Class I)鉄道会社です。

CB&Q鉄道ののメインライン網。

CB&Q鉄道ののメインライン網。

 

シカゴから北へはミネソタ州セントポール(St.Paul)まで、

南へはミズーリ州セントルイス(St.Louis)やカンザス州

カンザスシティ(Kansas City)、西へはネブラスカ州の

リンカーン(Lincoln)やオマハ(Omaha)を通過して

コロラド州デンバー(Denver)まで。 さらにデンバーから

南へはテキサス州ダラス(Dallas)やヒューストン(Houston)

まで路線が伸びていました。

CB&Qの名前は知らずとも、ゼファー(Zephyr)という

特急列車の名前をご存じの方も多くいらっしゃることでしょう。

この路線内では「ゼファー」と名を含む列車が15種類以上

あり、各所を所狭しと走りまわっていたようです。

その中でもすでにNゲージでモデル化、現在も入手可能なのが

「パイオニア・ゼファーPioneer Zephyr」、

「シルバー・ストリーク・ゼファーSilver Streak Zephyr」、

「カリフォルニア・ゼファーCalifornia Zephyr」

の3列車です。

「パイオニア・ゼファー」は1934年から1960年まで活躍し

斬新なステンレス製のシルバーボディがカンザスシティと

オマハ、リンカーンの間を走り抜けていました。

パイオニア・ゼファー(Pioneer Zephyr)

パイオニア・ゼファー(Pioneer Zephyr)

 

 

 

 

 

この列車、写真の車両正面は一見最後尾の展望車にも

見えますが、実はこちらが先頭でれっきとしたディーゼル

特急なのです。 Nゲージではコンコー社(Con-Cor)が

製品化し、現在も入手可能です。

「シルバー・ストリーク・ゼファー」は1940年に産声を

あげ、「パイオニア・ゼファー」と同区間で運行されました。

基本編成ではやはりステンレスボディのEMD-E5Aが

5両のステンレス製のBudd社製客車を牽引しました。

後でも出できますが、このE5Aは主にCB&Qのゼファー用

に設計されたようで、「Silver」から始まる個別名が、製造

された全てのE5AとE5Bにつけられました。

KATOから発売されているE5Aはこの中の

「Silver Speed」、「Silver Pilot」、「Silver Bullet」3種になります。

特に「Silver Bullet E5A」は同社の

「Silver Streak Zephyr 6-unit set」(商品番号106-090)にのみ

同梱されており単独での入手は難しいかもしれません。

そして、恐らく一番有名なゼファーが最後の

「カリフォルニア・ゼファー」なのでしょう。

CB&Q鉄道がデンバー&リオグランデ・ウェスタン鉄道(D&RGW)、

ウェスタン・パシフィック鉄道(WP)と共同で運行したこの特急は

シカゴからカリフォルニア州オークランドまでロッキー山脈を貫通

して走り抜けていました。 デンバーまでがCB&Q、デンバーから

西のソルトレークシティまでがD&RGW、そしてそこからさらに西へ

オークランドまでをWPが担当しました。

1949年に登場したこのゼファーは、CB&QがBN(バーリントン・

ノーザン鉄道)に吸収されたのちも運行を続け、ルートは変化している

ものの現在のアムトラックでも同一名の特急として存在し続けています。

この特急の牽引機はデビュー当時がF3型ディーゼルでしたが、

50年代に入り、徐々にE5型、E7型、E8型へと変遷していきました。

Nゲージでは、KATOが客車のみの11両セットを既に製品化しており

(製品番号106-057)、ケンズタウンでもこのセットの工房カスタム

室内照明標準装備の豪華バージョンセット(製品番号106-057-1)を

1セットのみ在庫しております(ショップ未掲載)。

牽引機のF3、E5、E7、E8も全てCB&Qのカラーリングで製品化済み

です。 F3とE5がKATOから、E7、E8はそれぞれプレシジョン・クラフト・

モデル(PCM)とブロードウェイ・リミティッド・インポーツ(BLI)から

発売されています。 特に後者2社の製品はその卓越したディテールも

さることながら、DCC&サウンドが標準で搭載されており、このサウンドが

通常のアナログコントローラーでも同様に楽しめるのが最大の特徴です

(PCM製E7AとBLI製E8Aは現在、在庫が一両ずつですがございます)。

E7AやE8Aが牽引するカリフォルニア・ゼファー、ちょっと周りに差を

付けたい方にはお薦めの牽引機です。

 

アメリカ中西部の雄、シカゴ・バーリントン&クインシー鉄道のおはなし

でした。

それではみなさま、また次回までさようなら(^0^)/