本日も
ケンズレールロードへ
お越しいただきまして
ありがとうございます。
先日、
開店時にしたためた
「ストアへの想い」を
読み返す機会がありました。
今も
特に訂正したくなるような内容が
あるわけではありませんが、
あれから自分自身も
ストア運営を通して
様々な経験をさせていただき
その想いは
多少複雑になったようにも
感じますし
明快になったようにも
感じます。
アメリカに限らず
他国の製品を扱うということは
その背景にある
その国の文化や国民性、
考え方や慣習・風習などにも
ある程度の理解が
必要になるのかなと
感じます。
「ほな、例えば
アメリカ型のNゲージでゆうと
それはどうゆーことなん?」
そうだねー、
例えばこの間ね、
あるお客様と
スケール速度のお話を
させてもらったんだけどね、
そこには
やはり製品を支える
背景の違いによる
考え方の違いが
あるように思うんだよ。
以前、このブログでも
グラフ付でお話をしましたが、
同じパワーパックの
スロットル目盛りでも
メーカーによって
走行スピードが異なります。
グラフからお分かりのように
同じスロットル目盛りでも
ライフライク(ウォルサーズ)や
スペクトラム(バックマン)に比べて
国産は1.5倍から2倍の速度が
出ます。
非常に立ち上がりがよく
反応が俊敏であると感じる反面、
スケール速度(縦軸)にすると
新幹線でもない限り
実際的ではない速度まで
容易に到達します。
グラフにはありませんが、
アトラスやアサーンなど
他のメーカーも
速度の遅い
ライフライクやスペクトラムの
グループに属します。
同じ電圧で
どの程度の速度が出るかは
主にモーター特性と
ギア比で決まるわけですが、
アメリカ製品が全て
立ち上がりや
速度が遅いのには訳があります。
実は設計段階から
スケール速度が
意識されているからです。
そしてこれは
アメリカのメーカー間では
共通の認識のようです。
国産製品が
動き始めるスロットル位置に
慣れているお客様には
少し違和感のある設定であるかと
思いますが、
決して故障や不良では
ございませんので
ご安心ください。
「えー、
スロー運転の性能を
上げるために
遅いんかとおもてたー。」
実際のところは
そういう部分も
あるかもしれないけどね(^^;
また、
国産メーカーには
日本国内製品との
兼ね合いがあるので
なかなか難しい側面も
あるのでしょうし、
ユーザー層の違いから来る
根本的な考え方の相違が
あるのかもしれません。
「そやけど
それと、国民性や文化の話と
何の関係があるの?」
国民性とは関係がないのかも
しれないけれど
米国のNゲージに対する姿勢には
特徴があってね、
「いかに実車に近づけるか!」
ということが
大事にされているんだよ。
もちろん、
メーカーによって
温度差はあるけどね (^^;
その表れの一つが、
スケール速度であり、
また、
欧州型や日本型に先駆けて
実車両に近い
ナックルカプラー化を
業界全体で推進した
背景にもなっていると
思います。
そもそも
アメリカでは
ユーザーの平均年齢が
日本よりも高いので
(基本的には大人が対象)
本物(大人)志向を
より強く求められている
実情の違いも
大きく影響しているものと
思われます。
「自分は
スケール速度とか
あんまり気にせんと
むちゃはよ走らせんのも
好きやけどなー 笑」
そーそー
小さい頃、
スピードを出しすぎると
父親に怒られたっけなー (^-^)
曲線で
脱線・転倒するくらいまで
フルスロットルにしたりするからね 笑
でも、子供にとっては
わりとノロノロは嫌いで
ありえないハイスピードで
走らせるのも
一つの楽しみだよねー (^o^)
曲率半径が500mm以上の
曲線路がきちんと
用意されているのも
その表れでしょうし、
デジタル化が進むのも
実車の運行形態に
より近づけたいという
思いが
後押ししているように
思います。
「実車の運行形態て?」
例えば、
同じ路線上を
異なる列車が違う速度で
走行できるとか、
反対方向にも
独立して走行できるとか。
デジタルでは
時刻表どおりに
複数の列車を制御することも
さほど難しいことでは
なくなるからね。
「なるほどなー。
そういう気持ちのことは
わかったけど
国産品の走行性能のほうが
むちゃスムーズやと思うけど ・笑・」
そこなんだよ。
国産メーカーは
昔から地道に駆動系の
改良を重ね
今の高性能を達成しているよね。
おじちゃんも
子供の頃は、
手持ちの殆どが
国産製品だったよ。
なので
70年代のものから
分解していると
その過程がすごくよくわかるんだ。
そのメーカーの
継続した強い思いがあることが
透けて見えるよね。
そんな日本の
Nゲージの黎明期には
香港製の車両もあり
性能や外観の仕上げが
異なる製品にも
自分は
慣れ親しんでいたように
思います。
さて、
国産メーカーの
優れた品質とその安定性については
アメリカの業界などでも
常識となっていますし、
この点では
アメリカ製品は
その足元にも及びないのかも
しれません。
一方で、
そのような指向にある
アメリカ製品の
昨今の精密化には
著しいものがあり、
Nゲージといえども
鑑賞に堪える製品が
ぞくぞくと登場しています。
けれども、その結果
自ずと製造技術は難しくなり
歩留まりの低下要因とも
なっているはずです。
さらに、品質管理や
良品限界基準も
国産とは異なるため
えっ? と
首をかしげるような品質の製品も
平気で
流通しています。
以前のことですが、
ある米国ショップに
写真付で不良品の返品要求を
したところ
「不良の判断基準が
細か(厳し)すぎる」
と、反論されたことがありました。
けれども、
そんなことを続けるうちに
いつの頃からか
この辺りのシステムに
日本との大きな相違があることに
気がつきました。
日本のメーカーでは
不良製品が出回らないよう
高い意識を持っていて
完璧に近い
品質管理を心がけます。
そのため
ユーザーから
不良品のクレームを受けると
通常は平謝りの対応です。
けれども、
アメリカでは
品質の悪い製品が
出回っていることは
ある程度当たり前と
捉えられており、
それに当たれば
返品交換してもらう
というシステムが
ある意味、
日常茶飯事に行われています。
そのような
日本とは異なる背景が
あるからこそ
不良品が僅少の
日本製品に
驚愕されるわけです。
そのようなことも含め
アメリカの特徴として
何かにつけ
ピンからキリの幅が
かなり広いことがあります。
逆に言えば
日本の製品などは
高品質の周辺に
度合いが異常に集中している
ということにもなります。
「ん?
ちょっと、なにゆーてるか
わからへんねけど(^^; 」
あっ、
サンドウィッチマンの
関西弁バージョンだねっ 笑
簡単に言うとね
「アメリカは
優れたところは
日本より飛びぬけてる代わりに
そうでないところも
飛びぬけてひどい」
ということになるかな。
「なるほどー、
いろんな民族が
いてはるから
バラツキみたいなもんが
日本より
おおきなるんかなー」
殆ど単一民族で
他国に接していない日本より
いろんなことの許容度も
広くなるのかもしれないね。
そんな実情もある
アメリカ型のNゲージですが、
それでも
なぜか自分は魅力を
感じ続けます。
たくさんの
鉄道模型ファン(もけてつ?(^^ )
の方々に
その魅力をお届けし
楽しんでいただくために、
少しでもネガティブな部分を
こちらで吸収できればと
日々がんばっております。
肝心なところが抜けていたり
まだまだ
頼りない店主ではございますが、
末永くお付き合いを賜れば
幸せです。
何の? かは
自分でもよくわかりませんが、
最近はなんとなく
夜が明けてゆく感じが
いたします。
「なんや、突然やねー (^^ 」
それではみなさま、
また次回まで
さようなら (^0^)/