先日、あるお客様よりサウンド付の
デジタル車両の連動に関するご質問を
いただきました。 そのご質問に
お答えするために改めて種々
マニュアル等を読んでみました。
私自身は実は特にDCCに関しまして
詳しいわけではございません。
むしろ、素人に近いと思われても
仕方のない部分が多々あります。
お恥ずかしいことこの上ないのですが、
特に実際の複雑なレイアウトでの
DCCの組込や運用に関しましては
全くお役にたてる情報及び経験が
ございません。
ただ、DCC搭載車両に関しましては
ケンズタウンで取扱っております関係上
ある程度の知識は責任?義務?(^^;
としてすこーしだけ知っているつもり・・・
です。
で、この後はDCCに関して詳しい方は
無視してくださいませ。 統括制御(MU)に
関しますお話です。
デジタル動力車両を一両のみ運転する
場合は、運転開始までのステップが
多少多い程度でアナログ運転と
大いに異なる点はないように思います。
もちろん、車両の機能を自分好みに
変更する場合などは別ですが。
さてそれではデジタル動力車両を
複数運転する場合はどうでしょうか。
列車編成に一両だけデジタル車が
入っており、同一線路上で複数の
列車を運転する場合は、それぞれの
デジタル車両に異なるアドレスを
割り当て、一つ、もしくは複数の
スロットルで運転することになります。
もちろん同一アドレスのままでも
同時運転は可能ですが、それぞれに
異なる動作をさせることはできません。
今回お話しますのは、複数のデジタル
動力車を同一編成内に持つ場合の
お話です。 例えば、牽引用
キャブ型ディーゼルを
A-AやA-B-A、さらには本格的に
A-B-B-Aで運転させたいときです。
それぞれに異なるアドレスを割り当てる
のは良いとして問題は最後尾のAユニット
です。 通常は最後尾Aユニットは後続の
車両方向にキャブを向けて、つまりは
バックで走行することになります。
アナログ運転の場合には、車両の
前後の向きに関係なくレールの
DCプラスマイナスの向きのみに
依存します。
ところがデジタル車両の場合には
通常、最初から方向が決められています。
つまり、線路上にデジタル車両をどちら向きに
置いても、コントローラーの「前進」では
常にキャブ側に走り始めます(工場出荷時
のまま変更していない場合)。
実機と同様なのです。 従いまして、
同一線路上にデジタル車両を反対向きに
置くとたとえそれらが全く同じメーカーの
同一機であっても、コントローラーで
「前進」させると、それぞれ逆方向に
進み始めます。 これでは、A-A編成
はおろか、A-B-B-Aなど到底
運行させられません。 結論から
言いますと、最後尾のAユニット
あるいはBユニットの進行方向を
逆向き設定に変更すればいいことになります。
(DCC車両等では、CV(Configuration
Variables(構成変数))の値を決められた
範囲内で自由に設定し直すことが
可能です。 サウンドに関する調整や
車両の加速率、減速率、またライト類の
点灯仕様もお好みで変化させること
が可能です)
けれども、通常同一編成内で
複数のDCC動力車をシンクロさせて
運行させたいときには、「統括制御」
という実機と同じモードを活用します。
これはMU(Mulitiple Unit Operation
或いはMultiple-unit Consistなど)とも
呼ばれ、複数のアドレスをグループ化(連結)
してある一つの車両(トップ車両)と
同期(シンクロ)させる機能です。
少なくとも北米におきましては
NMRA(全米鉄道模型協会)の
DCC規格統一後は、殆どの
車両を含めたシステムで
このMU操作は可能なはずです。
ただ、前述しました通り、この
手法ですと車両の進行方向を
ディフォールト(初期設定)とは
逆方向に再設定しなければ
ならない車両がが発生します。
そこで、DCC車両等を製造している
メーカーはそれぞれ独自に
MUとは別にオリジナルの統括制御法
を設定している場合があります。
例えばブロードウェイ社(BROADWAY
LIMITED IMPORTS社)のパラゴン2
(Paragon2)では、「イージーコンシスト
(DCC Easy Consist)」と呼ばれる機能が
それにあたります。
デジタル車両数は最大で3両だけですが
簡単に統括制御モードを設定できます。
もちろん、一部の車両だけ進行方向を
設定し直すなどのステップが必要なく
なりシンクロ動作を実現できます。
ブロードウェイ社のNゲージのEユニットや
PAユニットなどには、同一機に3種の
製品が用意されているロードネームが
あります。 1つはA-unit+B-unitセットで、
このセットではBユニットはダミー車両と
なります。 他の2つはそれぞれ
DCC動力&サウンド付きのA-unit単体
製品とB-unit単体製品です。
つまりこの3種の製品ラインを持っている
機体なら、先ほどの「イージーコンシスト」
機能で簡単にA-B-B-A編成が
可能になるしくみです。
北米のDCCメーカーは、それぞれ
異なる車両製造メーカーと大抵
タッグを組んでいます(ブロードウェイ社は
自社開発です)。 KATOなら
「TCS」というように。
ですので、このような簡易編成モードは
恐らくそれぞれのメーカーのDCC製品に
あると思われます。
実機の統括制御では、当初
圧空(圧搾空気)が使用されて
いましたが、時代と共に
圧空+電気(回路)による
統括制御に進化しました。
実機でも運用上非常に
重宝といいますか必須の
シンクロ運転を、模型でも
体験してさらにわくわく感を
重連、3重連にしてみては
いかがでしょうか。
いえいえ、ブロードウェイ製品の
宣伝や誘惑増長目的の言葉では
ございません(>_<)
どちらのお店でどのように入手
されても結構です。
統括制御で幼いころ夢見た
運転士気分を少しでも
味わっていただければ・・・
ということです。
それでは皆様、
また次回までさようなら(^0^)/