本日もケンズレールロードへ
お越しいただきましてありが
とうございます。
上の写真の通り、今日はビッ
グボーイ#4014の最新レス
トア状況からスタートです。
ユニオンパシフィック社では
#4014レストアの進捗を
同社のホームページで定期
的に公開しています。
「これは、8月29日の
最新情報やね (^o^) 」
最新といいながら既に一ヶ月
近く経過しててごめんね /(^-^;;
今回は、いよいよシリンダー内
の整備のお話ですね。 記事中
にもありますが、蒸気機関車の
シリンダーは蒸気の圧力エネル
ギーを運動エネルギーに変換
する動力機構の心臓部です。
今回はボアリング(Boring)と呼
ばれるシリンダー内壁の研削
工程の様子が報告されています。
「おっちゃんの後ろに見え
てんのがシリンダーやね。」
そう、ビッグボーイには全部で
4つのシリンダーがあるんだよ。
直径は約610mm、長さは
約813mmだそうだよ。
記事の見出しにはこうあります。
「Union Pacific’s Steam Team
has a new boring process
that is anything but boring.」
これは実は掛け言葉になって
います。
「boring」の原形「bore(ボア)」
は、くり抜くという意味の動詞
や内径、口径という意味の名詞
です。
自動車エンジンのチューンナ
ップに「ボアアップ」という技術
がありますが、これはシリンダ
ーの内径を少し研削して大きく
し排気量を増大させる手法です。
この場合の作業もボアリング・
プロセス(boring process)です
ね。
「むかし、ポルシェ911の
排気量が3600ccやったころ
ボアアップして3800ccにした
レーシングモデル(RS)が
羨望の的やったね! (^_-) 」
お・お・おー、いきなりマニアック
なことをいうねー、きみは。
そそ、その「ボア」だね。
けれども、見出し最後の
「~anything but boring」の
「boring(ボアリング)」はこの
意味ではなく、全く同じスペル
で「退屈な」という意味の
形容詞です。 ちなみに
「anything but~」は、ここでは
「決して~ではない」という意味
になります。
ですので、見出し全体の意味は、
「ユニオンパシフィックのレストア
チームは、決して退屈ではない
ボアリング工程に新たに取りか
かっています。」
「日本語ではわからへんけど
boringが、かけことばになっ
てるゆうことやね (^^ 」
そういうことです v(^_^)
「boring process」に、「退屈な
工程」と、「ボアリング(研削)
工程」の2つの意味を感じさせ
ているわけです。
いわゆる「おやじギャグ」の
駄洒落と同様、英語にも同音
異義語や別の意味をもつ同じ
単語で混乱することがあります。
在米中、教授や学生の前で
技術紹介のプレゼンテーション
をしたとき、「メルト(melt)」と
いう言葉を誤解してしまった
ことがありました。
「メルト(melt)」は材料系の
専門の中でも通常は「融(と)
ける」と言う一般的な意味で、
「氷がとける」の融ける
(固体が液体になる)です。
プレゼンの後、ある教授から
「その場合、そこはメルトして
るのかい?」
と、聞かれたので
「いえ、それほど温度が高く
ないので融けてはいません」
と答えたところ、
「それでは、つじつまが合わな
いのではないか?」
と首をかしげられました。
実は、、「メルト(melt)」には
磁性材料の世界で使う別の
意味があるのですが、当時の
自分は知りませんでした。
「えらいむずかしそうな話
やけど簡単にゆうてな (^^; 」
鉄なんかの磁石の材料はね、
温度をどんどん上げていくと
磁力がなくなって引っ付かなく
なってしまう性質があるんだよ。
この引っ付かなくなる温度を
キュリー温度(点)っていって
材料の種類によってみな
違うんだよ。 例えば鉄の
キュリー温度は760℃前後。
普通の生活の中ではありえない
ずっとずっと高い温度だから、
どんなに暑い夏でも鉄が磁石に
くっつかなくなることはないから
安心してね (^^)
実は、磁性材料の世界では、
温度が上昇して磁性がなくな
ってしまうことを「メルトする」
と表現することがあります。
つまり、「磁力がとけてなくなる」
という意味合いでしょう。
ですので、材料自体が融けて
液体になることとは全く意味が
違うわけです。
先ほどの私が教授から受けた
質問の本当の意味は、
「その場合、そこは温度が
キュリー温度以上に上がって
磁力がなくなっているのかい?」
だったのです。
もちろん、答えは「はい」で、
そこの磁力はなくなっていなけ
ればならないのですが、私が
誤解して「いいえ」と答えた
せいで、教授は首をかしげて
しまったわけですね (^-^;;
もちろん、その教授は私が
誤解していることをすぐに察
して説明してくれました。
「おじちゃん、場数をふま
へんからそういうことにな
るんとちゃうの?」
ひゃーっ、手厳しいねー (>_<)
でも、ごもっともでございます ・笑・
若かったということで、許して
くだされー (^^
さてさて、#4014の話題から
うっかり私の失敗談になって
しまいましたが、来年の大々的
なお披露目イベントに向けて
着々と仕上がっている様子ですね。
「おじちゃん、こないだ
最近元気な公共放送局に
このお披露目の番組作製を
要望してへんかった? 笑」
そうなんだよ、その放送局の
ホームページを見ていたら
要望を送れるコーナーがあった
から、ちゃっかり「世界最大の
ビッグボーイが復活!」なんて
ドキュメンタリー番組の制作を
要望しておきました。
「あーゆー要望はどれくらい
きいてもらえるんやろねー???」
まっ、案内役でおじちゃんが
番組に登場してたら応援
よろしくね (^o^)b
「またおじちゃんの妄想が
はじまってしもたわー 」
じゃー、司会はあの女性アナ
ウンサーにお願いして、アシス
タントは綾瀬はるかさんにして
もらおうかねー・・・?
ねー、だれがいいと思う?
「・・・・・」
それではみなさま、
また次回までさようなら (^0^)/