開業間近、ブライトライン(Brightline)の新幹線!

本日もケンズレールロードに

お越しいただきまして

ありがとうございます。

 

さて、

皆さんはブライトライン(Brightline)

という鉄道を

ご存知でしょうか。

そうです、来月にも

フロリダ半島東岸で

新型高速車両の運行を

予定している

北米で話題の鉄道です。

 

「北米は広いし

ちょっとローカルやね (^^ 」

 

なるほどそうかも

しれないね。

ところがね、今

フロリダは、1983年以来だと

全米の鉄道ファンが注目する

エリアになっているんだよ。

 

「1983年に

なんかあったん?」

 

実はね、

1983年は

リオグランデ鉄道(D&RGW)が

リオグランデゼファー(Rio Grabde Zephyr)の

運行を終了した年なんだよ。

これを最後に

北米では「私鉄」(アムトラックは半公営)による

旅客用列車が

運行されていないそうだよ。

 

今日は、

開業を間近に控えた

このブライトラインについて

少しお話をさせてください。

 

場所は、

マイアミビーチなどで有名な

フロリダ州の東海岸。

南部のマイアミから

中部内陸にあるオーランドまでの

ブライトライン新高速鉄道の建設が

現在も進行中です。

この2都市間の距離は

現行の車道で換算すると

400キロメートル足らずの

道のりです。

東京から名古屋までの

鉄道路線換算距離とほぼ

同程度です。

将来的にはこの

マイアミ、オーランド間を

3時間で結ぼうという

計画です。

 

「東京から名古屋まで

のぞみ やと

3時間かからへんから

ちょっと遅いなー ・笑・ 」

 

うん、

そこはやっぱり

アムトラックのアセラ(Acela)と

同じで、

いらいろと事情があるらしいよ。

 

アセラの場合、

使用される路線の殆どが

既存の在来線であるため

高速鉄道にとっては厳しい

環境での運行を余儀なくされました。

つまり、

車両の性能由来ではない

速度限界があるわけです。

一方、

ブライトラインの場合は、

一部を既存路線の改良で

使用するものの

大半は、

新しく線路を敷設し、

大掛かりなショッピングセンター付駅舎や

道路網が建設中とのことです。

ですので、

文字の意味に忠実になるなら

「新幹線」と言えるわけで

アセラとは

路線事情が違います。

けれども、

通過地域の環境条例などで

「新幹線」にもかかわらず

どうしても

速度制限に縛られて

しまいます。

市街部で時速約126キロ(時速79マイル)、

そこを離れても

時速約200キロ(時速125マイル)が

現時点での限界だそうです。

もちろん、

シーメンスモビリティ

(Siemens Mobility)製

ディーゼル車両の性能が

その程度で限界ではないことは

言うまでもありません。

 

「ほな、

来月にも

マイアミとオーランドが

3時間で開通するん?」

 

実はね、

現時点では

当初の計画が大幅に

遅れているらしく

全線開通までは

もう少し年数がかかるらしいよ。

 

来月(2017年7月)に予定されている

制限付での運行開始予定の路線は

マイアミ北部の

「フォート・ローダーデール

(Fort Lauderdale)」と

「ウェスト・パーム・ビーチ

(West Palm Beach)」間

だけのようです。

 

「ほな、

新型車両について

もっと教えてーな!」

 

はいはい、わかりました。

せっかちだねー (^o^;)

 

さっき言ったけど、

今回、総計5編成が納入予定の

新型車両は、

アセラに関わった

ボンバルディア社ではなく

ドイツの高速鉄道車両

「ICE-1」を製造した

シーメンス(Siemens)社

なんだよ。

 

もう少し詳しく言いますと、

製造会社は、

カリフォルニア州サクラメントに

本社のある

「シーメンス・モビリティ

(Siemens Mobility)」

という会社です。

シーメンス社は

ドイツのコングロマリットですが、

新型車両はシーメンス・モビリティ保有の

カリフォルニアにある工場で

製造されています。

 

「・・・で、

コングロマリットってなんなん?」

 

コングロマリット(Conglomerate)

というのはね、

買収、合併なんかで

たくさんの

多種事業会社を保有する

巨大組織(企業)のことだよ。

おじちゃんも

最近知った言葉だよ ・笑・

 

昨年の12月と

今年の3月に

5編成のうちの

2編成が

既にブライトラインの工場がある

ウェスト・パーム・ビーチに

納入済みとのことです。

 

5編成は、

塗装色で分けられていて

それぞれ

ブルー、ピンク、レッド、グリーン、オレンジ

を基調にデザインされています。

ブライトライン5編成の模型
~USA TODAY~

 

アセラ同様、

前後に計2両の

ディーゼル・エレクトリック動力車が

配置されていますが、

アセラが全8両編成であるのに対し

今回のブライトラインの新型列車は

全6両編成です。

 

前後の動力車に搭載されている

16気筒ディーゼルエレクトリック

エンジンは

4000馬力仕様で、

最新のガス排出レベル

「Tier-4」を満たした

クリーンディーゼルだそうです。

実は、

シーメンス・モビリティ社は

北米用新型車両

「SC-44チャージャー(Charger)」を

一足早い2016年3月に

お披露目しており、

アムトラック仕様車が

公開されています。

今回の新型車両は

SC-44チャージャーの

いわゆるストリームライン

バージョンと考えられ、

前部の連結器が

先端内部に

格納されています。

ですので、

搭載エンジンは

SC-44搭載と同型の

4ストローク「QSK95」

と思われますが

SC-44の4400馬力から

パワーダウンされいるので

現状に合わせた仕様変更が

なされているのかも

しれません。

 

「列車内部の様子は

もう公開されてるん?」

 

調べてみるとね

「USA TODAY」の1月の記事に

内部の写真がたくさん

説明付で掲載されているよ。

(以下、記事のURLです)

https://www.usatoday.com/story/travel/destinations/2017/01/11/brightline-florida-high-speed-train-unveiling/96450136/

 

客車は2両の動力車に挟まれた4両で、

全て座席車(コーチ)です。

「スマート(Smart)」と呼ばれる

4列シート(座席幅48センチ)の

標準タイプと

「セレクト(Select)」と呼ばれる

3列シート(座席幅53センチ)の

ハイグレードタイプが

あります。

以下、主な特徴を列記します。

・車椅子やベビーカーが考慮された

広い通路幅約81センチ(32インチ)。

・スマート車、セレクト車両方に

固定式テーブルが設置された

グループ用座席がある。

・グループ用座席のシート上部には

騒音軽減のため

仕切りのガラス板が

設置されている。

・座席にはコンセントはもちろん

USB端子も装備。

・トイレ待ちの乗客のために

ベンチタイプのシートが

設置されたスペースが

確保されている。

・電子レンジやコーヒーなどの

リフレッシュアイテムが

備わった小スペースがある。

・座席背面の格納式テーブルは

小さな飲み物用と大きな食事用が

一体になっていて個別に

動作できる。

 

「なんか、今までの車両の

使い勝手の問題点が

ちゃんと研究されてる感じやね」

 

そうだね、

トイレ待ちのスペースなんかは

気が利いていて

きっととっても便利だよね(^^

 

さて、

最後になってしまいましたが

やはり一番気になるのが

Nゲージでのモデル化です。

近い将来

商品化されることは

間違いないと思うのですが、

果たしてどのメーカーが・・・?

 

「トミックス(トミーテック)さんとかが

突然飛び入りしてほしいわ(^0^)」

 

おーっ、

そんな嬉しいザプライズがあったら

北米模型界も活気づくねー(^^

 

バックマンが

アセラのリベンジ?

カトーが横綱相撲?

さて、

皆様の予想はいかがでしょうか。

それぞれの製品には

個性があるので

それぞれの

ブライトライン車両を

想像してみるのも

楽しいですね(^_^)

 

こと旅客列車の新型となると

北米では僅少なので

今回のブライトライン開業は

北米鉄道模型界にとっても

かなり嬉しい話題ですね。

もし、今後

新しいビジネスモデルとして

ブライトラインの運営が

成功すれば、

同鉄道の延伸だけではなく

北米各地での新鉄道開業に

繋がってゆくかもしれません。

(カリフォルニア州、テキサス州には

すでに高速鉄道導入計画が

あります)

これから未来に向けて

ますます目が離せない

北米の鉄道事情ですね (^o^)

 

それでは皆様

また次回までさようなら(^0^)/