19人の養子縁組。 ~ 2-8-8-2 War Babies ~

本日も

ケンズレールロードにお越しくださり

ありがとうございます。

 

いきなりですが、

「あんな資源豊富な

大国との勝負に

勝てるはずは・・・・」

という

第二次世界大戦の

アメリカに対する評価は

よく聞かれます。

 

『じじ もようゆーてたなー。

「こっちは国民総動員やったのに

あちらさんは戦時中でも

映画製作できるほど

余裕しゃくしゃくやった・・・」

って。』

 

そうだねー、

埋蔵資源の量については

確かに日本は

かなり不利だっとよね。

 

戦時中、

アメリカは日本の力など

歯牙にもかけない

余裕状態であったろう...

という話は

かつて

自分もなんとなく

信じているようなところが

ありました。

 

アメリカの鉄道模型に

携わるようになると

否応なく

向こうサイドの

戦時中の歴史などが

耳に入ってきます。

 

例えば、

日本だけでなく

アメリカ本土でも

空襲に備えた

灯火管制はあった

という事実などです。

少なくとも、

鉄道では

牽引機のヘッドライトに

カバーをかけて

上空からの

狙い撃ちを

警戒しました。

BLMAの製品にも

ヘッドライトカバーの

エッチングパーツが

販売されています。

BLMA製、エッチングメタルのヘッドライトカバー。

 

 

 

 

 

 

 

このような実態を

考えただけでも

「歯牙にもかけていなかった・・・」

ということはなさそうです。

もちろん、

空襲に備えたのは

日本からの航空機ではなく

ヨーロッパからの

奇襲に対する

反応であったのかも

しれませんが。

 

「ヨーロッパ戦線も

大変な状態やったからねー(> <)」

 

そうそう、

あのノルマンディーから

戦況が激変したらしいね。

 

最初に出てきました

資源量うんぬんというお話

ですが、

これに関しても

アメリカは

決して余裕しゃくしゃくでは

無かったはずです。

 

その理由は

USRA 2-8-8-2 マレー型

蒸気機関車の

商品説明でも

書かせていただいています。

 

「あー、

やっぱりアメリカも

鉄の確保に

懸命やったはなしやね。」

 

うん、

第二次大戦中、

アメリカ連邦政府は

鉄道車両の新たな

製造を制限していたんだよ。

もちろん、

その理由は

鉄をむやみ使いたくなかった

ってことだよね。

 

車両、特に

蒸気機関車などの

牽引機についての

製造制限で

困難な状況に

追い込まれたのは

全米各地の

鉄道会社でした。

輸送物資の量が

日ごとに増加する一方で

完全な車両不足に

陥っていました。

そこで政府は、

保有車両の多い

大きな鉄道に

牽引機の配給を

指示しました。

例えばその

2-8-8-2蒸気機関車では

サンタフェ鉄道(SF)、

ペンシルバニア鉄道(PRR)、

ユニオンパシフィック鉄道(UP)が

ノーフォーク&ウェスタン鉄道(N&W)から

Y3型を購入しました。

 

「えー、

ちょっと待ってー、

SFもPRRもUPも、

超有名なおっきな

鉄道やん。」

 

もちろん当時でも

この3社は

大きな鉄道会社だよ。

でもね、

大都市を路線にもつから

牽引機不足が

より深刻で、

政府もそれを

問題視したんじゃないかなー。

もちろんそれは

おじちゃんの推測だけどね。

 

「N&W鉄道って

いまいち

日本では人気が

低いねー 笑」

 

いやいや、それでも

N&Wは

北米では

老舗中の老舗、

由緒正しい

鉄道会社だよ。

 

当時、N&Wは

100両を越す

2-8-8-2タイプを

保有していました。

Y3型だけでも80両あり

その中から

SFに8両、

PRRに6両、

UPに5両を

売却しました。

この総計19両のY3を

「ウォーベイビー: War Baby」

と呼んでいます。

今までケンズタウンでは

この3鉄道の

「赤ちゃん (^^」を

扱ってきましたが

本日ようやく

ベイビーではない

親元(N&W)の

Y3を販売させて

いただきました。

 

「そっかー、

80ひく19=61両のうちの

一両やね。」

 

N&Wが保有していた

Y3には

アルコ(ALCO)製と

ボルドウィン(Baldwin)製が

あったんだけどね、

PRRへの1両を除いて

全てのウォーベイビーは

アルコ製だったらしいよ。

そなった理由は

よく知らないけどね /(^-^;

 

このUSRA 2-8-8-2 Y3は

1919年製(第一次世界大戦中)で

マレー(Mallet)型です。

ですので、

フロントフェースの

デッキやヘッドライトを含む

風合いが

その後の

アティキュレート蒸機とは

かなり異なっています。

Walthers PROTO 2000 HERITAGE USRA2-8-8-2 N&W

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デッキの右と左にある

マレー特有の

おっきなシリンダーが

なんかかっこええねー」

 

うん、おじちゃんも

この感じ

とっても好きだよ (^o^)

スマートではないかもしれないけれど

「しぶい」

という言葉がしっくりくる気がするよ。

 

ご興味のある方は

Y1からY6bまである

「2-8-8-2マレー」の

違いを

研究されてみては

いかがでしょうか。

 

それではみなさま、

また次回までさようなら (^0^)/