ついにあいつがやってきた!

本日もケンズレールロードに

お越しいただきまして、

ありがとうございます。

 

さて、

表題の通り、話題の

ビッグブロー(Big Blow)を

ようやく発売することが

できました。

もう一機種の到着が

遅れていますので、

今回は#27のみになります。

 

「もっと何ヶ月も

待たされるて

おもてたけど

早かったなー」

 

うん、

スタッフの方々が

がんばったんだろうね。

 

 

いかに効率よく

ハイパワーを出力させるか、

そんな動力源の開発に

しのぎを削った時代、

このガスタービンエレクトリックが

一つの選択肢でした。

GEは第一世代、第二世代、

そして第三世代まで、

ガスタービン車を

製造しましたが、

「ビッグブロー(Big Blow)」という

愛称で呼ばれるのは

第三世代の30両だけです。

 

今回、

スケールトレインズ社では

この30両のうち、

#5、#7、#14、#18、#26、#27

を選定しています(Nゲージ)。

特徴的な

エアインテークパイプで有名な

#30がNゲージで外された?

のは残念ですが

実機どおりに

仕様が細部で異なっていて

なかなか楽しいですね。

1955年から1961年の

製造期間中にも

改良が次々と

進んだ結果なのです。

 

例えば、

ファン垂涎の

あのレスリー(Leslie)製

S-5T-R型

エアホーン。

初期(#5)には

キャブ上に設置されて

いましたが、

以降はほぼ中央の

ラジエター上に

移されました。

 

「音がめちゃでかすぎて

キャブから苦情が

きたんかなー」

 

そうかもしれないね。

この5連ホーンを

レストアして

かつての音色を楽しむ

ユーチューバーも

たくさんいるよ。

だけど本当はね、

寒冷地なんかで

ホーンの中に

氷が成長して

ベルを塞いでしまうから

暖かいラジエター上に

移されたらしいよ。

 

肝心の

タービン機能に

関しては

エアインテーク用の

ハウジング形状も

都度変更されました。

これは、

砂塵等がタービンに

悪影響を及ぼすことが

判明後、

吸入サイドの

フィルターリング

(Dynavane)を

追加したためです。

 

そして、

ダイナミックブレーキ

ハウジングの形状も

同社では

H型、I型と称して

作り分けています。

ダイナミックブレーキは

丁度、自動車のエンジンブレーキに

あたるシステムで

トラクションモーターを

ブレーキングにも

使用するしくみです。

このシステムでは、

トラクションモーターを

含む回路のなかに

大きな抵抗器が

必要になりますが、

これがかなり発熱

するため、

大抵は排熱のための

専用ハウジングが

設けられています。

フード型ディーゼルでも

このブレーキシステムが

採用されている機種には

排熱のための

ハウジングやグレーティングが

必ず設けられています。

 

今回の製品群で

そのロードナンバーによる違いが

一番解かりやすいのは

テンダー種でしょう。

#5から4種のRd#では

24、000ガロン容量の

24Cタイプが、

後期の#26と#27には

小振りでかわいい

23,000ガロン容量の

23Cタイプが

セットとなっています。

ただ、実機では

運用条件によって

適宜テンダー種が

選択されて連結

されたと聞いています。

 

実は、この二つの

テンダー、

異なるのは

大きさだけでは

ありません。

もちろん、

手すりや

メッシュ部品の配置なども

異なりますが、

お伝えしたいのは

その足元です。

23Cの台車には

コモンウェルス(Common Wealth)

6輪トラックが、

24Cには

バッカイ(Buckeye)6輪トラックが

再現されています。

余談になりますが、

これらのテンダーに

積み込まれていたのは

「バンカーC(Bunker C)」

と呼ばれる重油です。

この名称はいわゆる通称らしく

正式には

「No.6 ヘビーフューエルオイル」

なのだそうです。

バンカーAはNo.2、

バンカーBはNo.4とNo.5

など、種類が通称で

呼び分けられています。

このNo.6は

レジデュアル(残余)オイルとも

呼ばれ、

容器(バンカー)の

一番底にある原油種(一般重油)の

さらに下、

沈殿しているような

かなりヘビー級の

重油だそうです。

 

「あー、

なんかドロドロと

真っ黒な感じが

伝わってくるわー」

 

実は、

Aユニットの床下にも

燃料タンクが

あることにお気付きだと

思います。

このタンクも

初期ナンバーでは

オリジナル容量の

タンクが搭載されていますが、

#18以降では

容量増しされた

大き目のタンクになります

(エクステンディッド)。

このタンクの燃料は、

Aユニットに搭載されている

クーパーべセマー

(Cooper-Bessemer)製

ディーゼルエンジンに

使用されます。

 

「あれっ、

おじちゃん、なんか変とちゃう?

タービンがあんのに

なんでディーゼルエンジンが

いるん?」

 

それはいい質問だね。

これは補助エンジンなのさ。

製品のAユニットからは、

このディーゼルエンジンの

サウンドも聴けるんだよ。

Bユニットタービンの轟音には

隠れがちだけれどね (^-^;

 

その他に

個人的に目が行ったのは

台車のコイルスプリング。

最初は、

「ついにNゲージにも

本当のスプリングを

組み込めるようになったか」、

と思ったぐらい、

コイル間や丸みが

リアルです。 ...で、

今でもまだ疑っています...笑

 

また、最初から取り付け済みの

キャブ用リアビューミラーも

今までに

純正としては無かったように

思います。

 

それと、

言い忘れましたが、

Bユニットのお尻、

開口部奥には

ちゃーんと

黒っぽいタービンホイールが

見えるのであります。

 

「HOでは

回転もするらしいやん (^^」

 

設計段階の

ミーティングに

参加したかったなー

と感じるくらい

随所にこだわりが

感じられます。

 

「聞いてるだけで

すごい製品やなー。

けど、おじちゃん、

よーないとこは

ぜんぜんないの?」

 

個人的には走行性能かなー。

ディテールやサウンドの

凝り方に比較してしまうと

ちょっと残念に

思われる方も

いらっしゃるんじゃないか

と感じます。

 

けれども、

創立間もないメーカーが

初めて製品化した

Nゲージ動力車としては、

リアルさ、精密さの

限界に挑んだ

モデラー魂と共に、

ファン目線の姿勢に

大きな拍手を送りたい

そんな気持ちになれる

製品であると思います。

 

「写真がないのが

残念やけど

いろいろ

よーわかったわ。」

 

それはよかった。

全ナンバーを揃えたく

なるような

そんな製品作りだね。

彼らが

次に選択するのは

どんな車両なのか

とても

興味津々です。

 

それではみなさま、

また次回までさようなら(^0^)/