本日もケンズ鉄道にご乗車いた
だきありがとうございます。
夕方などに放送されます長野
県のローカルニュース番組では、
どの局でも、深刻な台風被害か
らの復旧作業の様子が毎日
伝えられています。
程度によらず浸水した家屋や
工場、田畑では、何十センチ
にもたまった泥の撤去作業が
あまりに重労働で、お年寄りの
多い地区も含め、ボランティア
の方々の助けがなければ復旧
が進まない状況です。
長野県以外の広範囲に及ぶ
被災地の方々も含め、一日で
も早い復旧を祈るばかりです。
自然災害ばかりではなく、一度
なんらかの原因で通常通りに
事が進まなくなる状況が発生
すると、その復旧に想像を超え
る苦労と時間が必要になるこ
とがあります。
北米の鉄道模型業界で言うなら
ば、昨年の秋口に発生した中国
の主要製造工場が突然閉鎖した
事件があります。
「もうあれから一年以上
やのにまだ回復してへんねー 」
そうなんだよ、とても残念だけ
れど、被害にあったメーカーには
なんとか早く再起して欲しいと
願うばかりだねー。
再起が遅れているメーカーは、
やはり個人経営や小さな会社
です。
トレインワークス(TRAINWORKS)
社のホームページでは、「最近の
ニュース」欄が昨年9月の事件報告
を最後に、未だ更新されていません。
「Nothing new to report
(新しく報告することは何も
ない)」という苦痛の表題に、
当時の悔しさがにじみ出て
いるように感じます。
「メーカーに何も連絡せんと
閉鎖されたみたいやねー」
キャブフォワードを製造予定だ
ったインターマウンテン社も当時、
その悲痛な思いをホームページ
で明かしていたよ。
なんとかキャブフォワードの製造
中止は免れたみたいだけれど、
発売時期はなかなか公表され
ないままの状況だね。
「あのめちゃ精密なやつ
また、はよ見たいわー」
蒸気機関車といえば、ミルウォー
キーロードの4-4-2アトラン
ティックを発売予定だったフォック
スバレーモデルズ社もその後新
製品の動きがないんだよ。
アトランティック製品のページ
には、「On Hold(保留)/
Delayed(遅延)」の文字が
見られます。
もう一年以上が経過する中で、
「一生懸命再起に向けて動いて
いないのでは?」
と、お感じになる方もいらっしゃる
ことでしょう。 実は私自身も
そんな風に考えてしまった時期も
ありました。
けれども、突然、契約工場を失っ
た小規模事業者が、以前と同様
に復活することがいかに大変で
時間を要する作業であるかを垣間
見ることができる記述が、あの
ブラックストーンモデルズ社のホ
ームページにあります。

「中国工場の閉鎖や、対中国関税の問題、香港情勢とは無関係・・・」の前置きと共に、新しい工場の決定がいかに大変であるかが書かれているブラックストーンモデルズ社(Blackstone Models)のホームページ。
同社については中国工場の閉鎖
で製品化が遅れているわけではあり
ませんが、工場選びの難しい状況
が説明されています。
「どう書いてあんの?」
ブラックストーンモデルズの時期
製品(K-36、K-28)の発売が
遅れているいろいろな理由が
書かれているんだよ。
まず、この新製品が製造中止には
なっていないということと、昨年の
主要中国工場の閉鎖や対中国
関税の問題、香港情勢とは全く
関係がない遅延であると書かれて
います。
メーカーには、こんな風に製品を
完成させて、このくらいの価格で
市場に出したいという強い思いが
あるはずです。
そんな思いから書き上げたり、決
めていった設計図面や、ツーング
(tooling:各所や各パーツをどの
程度正確に、また精密に再現
するか)を、望む資金内(想定
定価内)で受け入れてくれる製
造所がなかなか見つからない
ということで、現在、5箇所の工
場に問い合わせを行っている
のだそうです。
「工場はぎょーさんあっても
えーとこをみつけんのは
めちゃ大変なんやねー」
工場閉鎖の被害を受けた各メー
カーも、恐らくは同じような悩み
を持っているのだと思うよ。
さらにその後、追い討ちをかける
ように対中国製品への増税が
決定されたから、将来を考えて
米国内での製造も選択肢として
検討しているのかもしれないよね。
あのキャブフォワードの精密な
造りを、今の定価設定で承諾
する工場がなかなか見つから
ないのかもしれません。
経済力が高まった中国ですから
労働者の賃金も以前よりは
ずっと上がっていることでしょう。
逆に、工場の経営者側に立って
みれば、低い定価で細かく難し
い作業を強いられることは避け
たいはずですからね。
かつて、PFM(パシフィック・ファスト・
メール)などの北米輸入業者が
発売するHOのブラスモデルを
製造していた日本の天賞堂、
フジヤマなども、同様の状況で
苦渋の決断を迫られたことが
推測されます。
長野市のりんご農家が多くある
被災地では、あまりの農園の荒廃
に経営の継続を泣く泣く断念する
ところも少なくないと聞きます。
翻って、北米鉄道模型メーカーの
みなさまには、なんとかこの苦境を
乗り越えて、またわくわくする新製
品を市場に送り出して欲しいと
願わずにはいられません。
「ずーっと、たのしみに
まってるでー \(^0^)/ 」
最後になりましたが、このたびの
台風19号により被災された皆
様に謹んでお見舞い申し上げ
ます。
皆様がより安全にご健康で一日
も早い復興を成し遂げられることを
心よりお祈り申し上げます。
それではみなさま、
また次回までさようなら (^0^)/